週間ニュース
●1月20日(木)
実体のない政党
タイ選挙管理委員会によれば、同委員会から政党助成金を受けていた複数の政党が実体のないものであることが判明した。政党の監督の任にあるウィスット委員は、「登録を済ませた政党が実際に政党として活動しているかチェックするだけの人手が委員会には不足している。このため、国家行政研究所に対しチェックを依頼した」と説明した。これにより複数の政党が実体のないものである可能性が指摘されている。たとえば、パランマハチョン党は都内チャトゥチャクに本部を構えているが、関係者によれば、二十人ほどが半年ほど出入りしていたが、ここ数ヶ月は閉鎖されたままだという。また、プラチャーラット党もスカピバンにある本部がだいぶ以前から閉鎖されているという。パランマハチョン党は昨年、同委員会から約五十九万バーツにのぼる助成金を受けており、今年も九十六万五千バーツを受けることになっていた。また、プラチャーラット党は昨年百三十万バーツを受け取っており、今年も二百十万バーツの助成を受けることになっていた。このほか、本部がもぬけの殻となっているレンガーンタイ(タイ労働)党も昨年約六十三万バーツを受けており、今年約二百万バーツを受けることになっていた。
実行犯に終身刑
パナワット民主党議員が先月、銃で撃たれて重傷を負った事件で、刑事裁判所は、殺人未遂、銃の不法所持などの罪で、実行犯の男に終身刑を言い渡した。同被告(三九歳)は逮捕された直後、ネウィン副農相の実刑、タウィーサク議員に頼まれて犯行に及んだと証言した。しかし、その後で発言を撤回している。タウィーサク議員は現在も所在が不明だ。また、警視庁の担当者は、主犯格の容疑者については逮捕状が出ていると述べたが、その氏名は明らかにしなかった。
バンコク都知事選
タイラックタイ党筋によれば、同党は当初、パランタム党唯一の下院議員、スダーラット女史を今年のバンコク都知事選に党の公認候補として送り込むことを計画していたが、これを変更して、バンチャク社のソポン元社長を擁立することにしたという。一方、スダーラット議員は、「立候補する用意は今もある。しかし、ほかの候補が自分よりよいとなれば、身を引く」と述べた。また、同議員は、複数の人物に対し、タイラックタイ党からの出馬を打診しているという。なお、スダーラット議員は、パランタム党に所属するが、同党とは折り合いが悪く、旧知の仲であるタクシン氏が党首を務めるタイラックタイ党に移籍するものと予想される。
●1月21日(金)
国会議長の決定
ワンノー国会議長は、ラチャパット大学の複数の理事から出されていた上院議員選挙の立候補資格の陳情について、憲法裁判所の判断を求めないことにしたと述べた。同議長は先に、これら理事に同情的姿勢を示していた。同議長は、法律専門家の意見を聞いた後、これを決定した。これら専門家によれば、理事らはこのような陳情を行える立場になく、また、被害者と考えることもできないという。このほか、立候補の資格がないとされた理事たちは、民事裁判所に訴えることができるため、憲法裁判所で陳情を検討する必要もないという。
幽霊政党の問題
法律の権威として知られるミーチャイ上院議長は、実体のない政党が政党助成金を受けているとされる問題で、「法律の抜け穴をふさぐことが必要だ」と指摘した。同議長によれば、政党に関する法律の改正は、政府や議会、あるいは、タイ選挙管理委員会の仕事かはっきりしないが、遅延な見直しをする必要があるという。また、ミーチャイ議長は、「政党に対する助成金供与は現行の新憲法で求められていることであり、タイでは初めてのものだ。このため、これが悪用されることは誰も考えていなかった」と指摘した。
オリンピックの招致
関係筋によれば、二〇〇八年のオリンピック開催地の応募は来月一日が締め切りであり、政府は急いでタイへの招致案を検討する必要があるという。タイ・オリンピック委員会議長のチュリン国務相によれば、閣議に対し、招致案を承認するよう求める意向だという。同筋は、「タイは、東南アジア大会、アジア大会という大型のスポーツ大会が成功裏に開催されており、オリンピックを開催する能力が十分にある」と指摘した。このほか、タイ・オリンピック委員会は、政府に対し、招致活動に総額七億六千万バーツを投入するよう申請する方針だという。
選挙予算のカット
タイ選挙管理委員会によれば、同委員会は、上院議員選挙の予算をカットしないよう政府に繰り返し求めていたが、政府は八億バーツ以上を削減することになった。同委員会のウィチット事務局長は、「政府は公正な選挙を望んでいないようだ。予算カットに伴い、選挙管理委員会は一般市民に無料奉仕を求めざるをえない」と述べた。
殺害計画の疑い
トンブリのスックサワットでサナン副首相兼内相の顧問を狙っていたと思われる男が警官に射殺された。警察によれば、スックサワットに住む人が狙われているとの情報を入手し、パトロールを強化していた。この日の早朝に不審な二人の男が確認され、パトロールの警官が十五分後に戻ってみると、まだその場所にいたため、職務質問しようとしたところ、一人はオートバイで逃走し、もう一人は走り去りながら警官に発砲し、撃ち合いになり、射殺された。サナン副大臣の顧問の顔写真とオフィスの地図が、この男の持ち物に含まれていたという。
●1月22日(土)
避難民の流入
国家治安評議会のカチャッパイ事務局長は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に対し、ミャンマー国内からカレン族が避難民としてタイに入国している問題で、解決に協力を要請した。ミャンマー国内では政府軍が反政府勢力に対する攻勢をかけており、このために十万人ほどのカレン族が国境地帯に追い出されている。このためにタイ側への流入が続いており、今後さらに増加する恐れがあるという。また、近隣国からの麻薬の密輸入問題について、同事務局長は、「関係当局が協力して対策を講じているため、以前より状況はよくなっている」と指摘した。
邸宅の所有者問題
カンチャナブリ県の邸宅の持ち主だとされる女性実業家は、野党側に対し、この邸宅を材料にサナン副首相兼内相を批判しないよう求めた。スコータイ・マーブル・アンド・グラニット社社長のこの実業家は、「邸宅は私が所有している。サナン副首相とは関係がない」と述べた。また、この実業家によれば、同実業家が所有するログハウスが不法に建てられたものだと野党側が批判していることについて、「馬鹿げている。このログハウスに使った丸太は森林局から三十万バーツで購入した」と指摘した。
再度の首相職
最大野党・新熱望党のチャワリット党首は、東北部のウドンタニ県で開いた集会で、「私が首相になれば、国民の生活はよくなる。新熱望党が政権を担当すれば、国民は今より豊かになる」と述べた。また、同党首によれば、先月の不信任決議案に関する国会審議で十分な答弁ができなかったサナン副首相は国民の信頼を失っているという。さらに、現在経済の回復が顕著になっているが、これに関連して、同党首は、九七年に首相の座を追われるまでに経済の基盤を強固にしておいたのは自分だと主張した。
●1月23日(日)
石油価格上昇
与党・チャートタイ党のバンハーン党首は、石油価格の上昇問題について、チュアン首相と見解が異なることを認めるとともに、政府に対し、国民の負担を軽減する措置の導入を求めた。首相経験者の同党首は、「チュアン首相は市場の実勢によって価格を決定させるというポリシーだが、私はあまりに値上がりし、国民生活が圧迫されるようであれば、政府が介入する必要があると考えている」と述べた。同党首によれば、石油価格の上昇は特定グループだけでなく、国民全体が影響を受ける問題であり、政府は早急に対策を講ずる必要があるという。
選挙への関心
ラチャパット大学スワンドゥシット分校が今月三日から二十二日にかけ実施した世論調査によれば、三月四日に投票が行われる上院議員選挙に対する国民の関心は薄い。この調査では、合計四千六百四十九人から回答があったが、選挙のことを全く知らなかったのは、バンコクで六〇・五三%、地方で七三・一六%にのぼった。その理由としては、政治に関心がない、時間がないなどが挙げられている。また、現行憲法のもとでの上院の役割について、知らないと回答したのはバンコクが六三・六四%、地方が七八・八三%だった。
知事に適した人物
私立大学のアサンプションが実施した調査によれば、バンコク都知事にもっとも適した人物は誰かとの質問に対し、三二・三%がスダーラット女史と回答した。次はパウィナー国家開発党議員の二六・三%、サマック・プラチャーコンタイ党党首の一一・五%、タワッチャイ民主党議員の八・七%などとなっている。バンコクでは今年六月に新しい都知事を選ぶ選挙が実施されるが、現職のピチット氏は少なくともこの選挙には出馬しないと公言している。
●1月24日(月)
病院を占拠
タイ・ミャンマー国境地帯からバスを乗っ取ってラチャブリ県内に入ったミャンマー人の武装グループが、国立病院を占拠し、入院患者や職員を人質に、タイ政府に対し、ミャンマーの少数民族・カレン族への支援を要求した。武装グループは合計十人で、自分たちを「神の軍隊」のメンバーだと称している。これらグループは、病院内には強力な対戦車地雷を仕掛けたとしている。昨年十月一日と二日、バンコクのミャンマー大使館を不法占拠し、国境地帯に逃走した元学生グループは、国境地帯に潜む神の軍隊に加わったと伝えられる。
石油値上がり問題
エネルギー問題担当のサウィット国務相は、石油が値上がりしているが、政府としては現在のところ、価格安定化の補助は考えていないと述べた。同大臣によれば、国民一人一人が燃料の節約に努める必要があるという。バンハーン・チャートタイ党党首は、政府による市場介入を要求しているが、これも受け入れられないという。同大臣は、「バンハーン党首は、エネルギー価格を、市場の実勢を反映したものにするという政府の措置に反対しているが、これは政府のエネルギー政策に沿ったものである。エネルギー価格がアップすれば、国民はこれに自らを合わせることが大切だ。これは国民が経済の世界一体化に合わせることでもある」と説明した。
空軍のパイロット
軍関係筋によれば、空軍は現在、F―5型ジェット戦闘機を三十三機保有しているが、操縦できるパイロットはわずか三十人にすぎず、また、このうち何人かが民間会社に引き抜かれる恐れがあるという。空軍の月給は、このようなパイロットの場合、三万バーツ程度だが、タイ国際航空だと十万バーツのサラリーがもらえるという。
薬物濫用対策
麻薬問題担当のチュリン国務相によれば、今年度は、タイ中部の薬物濫用対策費が六〇%増額された。これにより、この十三県の対策費は十六億バーツにアップされている。また、同大臣によれば、チャンタブリ、チャチュンサオ、チョンブリ、チャイナート、トラート、ナコンナヨック、プラチンブリ、アユタヤ、ラヨン、ロッブリ、シンブリ、サケオといった県でも最近薬物問題が深刻化している。
●1月25日(火)
犯人全員射殺
ラチャブリ県の病院が占拠された事件は、発生からまる一日経った午前五時三十分ごろ、特殊部隊が発煙弾の爆音、煙を合図に病院に突入し、犯人の十人を全員射殺し、人質となっていた病院職員や入院患者を全員解放した。また、強攻策に訴えたことについて、チュアン首相は、「平和的な手段で解決しようと努力したが、無駄だった。今回のような手段は避けられなかった。病院などの施設を占拠することなどは国際的にも許されない」と述べた。また、特殊部隊が、銃を床に置いて無抵抗の犯人を跪かせて頭を撃ちぬき殺害したのを目撃した病院職員もいるという。
総選挙への出馬
最大野党・新熱望党は現在、百二十人の議員を有するが、そのうち今年の総選挙に同党から出馬する意向なのは八十人にすぎないという。また、同党関係筋によれば、同党では、三十九人の議員が事実上党を離れており、来月からは財政的な援助もカットする予定だという。一方、チャワリット党首は、一部の議員がほかの政党に鞍替えしつつあることを認めるとともに、残った者たちで政治的な目標達成のためにがんばるつもりだと述べた。
党首脳の対立
与党・チャートタイ党では、バンハーン党首が、アジア開発銀行からの融資金六億バーツが農業省でどのように使われたかについて報告がなかったとして、ポンポン農相(同党幹事長)に不快感を表明した。同党首は、「農業省でなにが起きているか知らせるように伝えておいた。しかし、それがなかった。ポンポン幹事長は農相より国務相に向いているかもしれない。ポンポン氏を農相にしたのは私の間違いだった」と述べた。これに対し、ポンポン大臣は、関係局の局長などに説明させており、それで十分だと考えていたという。同大臣は、「バンハーン党首は質問があれば、会ったときいつも私に質問していた。しかし、先日会ったときには質問もなかった」と述べた。さらに、同大臣は、「人前で叱責されれば、これらにも言いたいことがある」と述べた。
●1月26日(水)
強攻策で釈明
チュアン首相は、ラチャブリの病院占拠事件で犯人のミャンマー人十人全員が射殺されたことについて、犯人の一部は降参の姿勢を見せたものの、特殊部隊にとっては、やるかやられるかという状況の中で犯人に発砲する以外に手段はなかったと釈明した。また、服を脱がせ跪かせてから頭を撃ち抜いたとの報道について、チュアン首相は事実ではないと述べた。チュアン首相によれば、このような批判は特殊部隊側に死者が出なかったことによるものだという。
犯人の身元
ラチャブリの病院占拠事件で射殺された犯人の死体は白い布にくるまれたままで、顔が見えなかったことから、死亡したのは本当に犯人なのかという疑問が起きている。これについて、チュアン首相は、死亡したのは全員犯人であると述べるとともに、その中に、昨年十月のミャンマー大使館占拠事件に関わったベダという男がいたことを明らかにした。また、首相によれば、死体の司法解剖が行われる予定だという。
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