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ビール商戦、激化


 ハイネケンを製造・販売するタイ・アジア・パシフィック・ブリューワリー社(TAP)は新製品アムステル・ビールを発売した。小売価格は大瓶で四十五バーツとシンハビールより二〜三バーツ安く、五年間で二〇%のシェア獲得を目標に、中級ビール市場でのシェア(全体の約二三%)を独占するシンハビールに一騎討ちを挑むかたちとなる。

 昨年末、シンハビールを製造・販売するブンロート・ブリューワリー社(BRB)はミットワイダーを上級ビール市場に送り込んだ。これにより最もシェアを奪われたのはハイネケンで、その報復措置ともいえる今回のアムステル・ビールの登場によって、タイ・ビール戦線の火蓋が切られたと言える。

 ビール戦線最前線では現在、両者のPR合戦が繰り広げられている。TAP社は今年最大のイベント、ユーロ二〇〇〇のスポンサーとなるなど巨額な宣伝費用を用い、サッカーファンを含めた若年層にターゲットをしぼっている。一方、対するシンハビールは人気男優レオナルド・デカプリオが出演する映画『ザ・ビーチ』やトム・クルーズが出演する『ミッション・インポッシブル2』のスポンサーとなり若年層から支持を集めようとし、両者の牽制が激しくなっている。

 ただ、BRB社にとっては、現在下級ビール市場で同社のリオ、スーパーリオがシェア・ナンバーワン(六〇%)のビアチャンと激戦を繰り広げながら、中級市場でシンハがアムステルと、高級市場ではミットワイダ−がハイネケンとのシェア争いを同時進行させなければならず、『低級市場でのビアチャンとのシェア争いに焦点をしぼるべきだった』との専門家の声も聞こえている。はたして、シンハビールは今年もタイ・ビールの王様の座を守ることができるだろうか。厳しい戦いを強いられることは確かだ。

 ちなみに、タイのビール市場は価格帯により三つに分類される。まず、ハイネケンやクロスターで代表される高級ビール市場(五五〜六五バーツ)、それにタイ・ビールの王様、シンハが独占状態の中級ビール市場(四十〜五五バーツ)、最後にその安さで庶民に絶大的な人気を誇るビア・チャンとリオが激戦を繰り広げる低級ビール(三十〜四十バーツ)市場の三つで、シェアでは上から順に六%、二三%、七一%となっている。   



[BANGKOK SHUHO]