バンコク離れする観光客
都内ホテル、競争激化
稼動率の回復見られず
タイへ訪れる観光客が増加する一方で、バンコク都内ホテルの占有率は沈滞した状態が続いている。
オーストラリアの経営コンサルタント会社「フェリエ・ホッジソン」の調査結果によると、九九年にタイを訪れた観光客は前年比で約一一%増加したが、都内の大手ホテル七社の平均占有率は約五〇%と、観光客の増加に比例した伸びは見られていないという。
一方、チャニン・トーナワニック・タイホテル協会会長は、バンコク都内のホテル稼働率を六五%と発表した。しかし、この数値は経済危機以前と比べ依然不調であるとしている。
「フェリエ・ホッジソン」は不調の原因として、タイ北部又は南部で休暇を過ごす観光客が増えたため、その結果バンコクでの滞在日数が減少したと指摘している。同社の調査ではタイでの平均滞在日数は八日間で、そのうちバンコクの滞在日数は平均三日間と、以前より短縮しているのである。
ザ・インペリアル・ホテルズ・グループのO氏も、これと同じ見解を示している。「日本人観光客に限って言えば、バンコクでの滞在日数は四〜五日だろう。だが、欧州からの観光客は九割がビーチや山で休暇を過ごす傾向となっている。また、過剰なホテル数も占有率を下げている要因と考えられるが、サービスがしっかり整っていて、立地条件の良いホテルでは高い稼働率をキープしている」
リピーターが増えたというのも、バンコク離れの原因となっている。これは最近多くのトラベル・エージェントが、ピマーイ遺跡など今まで定番コースでなかったツアーを企画していることでも、違った場所を訪れたい観光客が増加していることを裏付けている。このほかに、インターネットなどが普及した影響で、タイ各地の情報を得やすくなったことも関係しているだろう。
警察庁入国管理国の統計によると、九九年一月〜十月にタイを訪れた観光客数は六百九十八万五百四十七人。九九年全体では七百万人を超え、昨年比で約一一%増となった。国籍別では日本人が最も多く、観光促進キャンペーン「アメージングタイランド」の効果もあって、十二月末には百万人を突破した。
「観光客増加は、単なる数字のマジックではないか」
しかし、観光客が約一一%増加したというのは、単なる「数字のマジック」である、との意見もある。ザ・パン・パシフック・バンコクの森功副営業部長は、観光客数の増加は、旅の途中で近隣国へ寄る人が増えたからではないかと述べる。
「アメージング・タイランド・キャンペーンでは、例えばカンボジアのアンコールワットへ行くなど、近隣国と抱き合わせのツアーが活発に行われた。入国管理局はそこで、タイへ戻ってきた観光客を二度数えることとなり、その結果全体数が増したのではないか」
ちなみにビジネス利用客が九割を占めるパン・パシフィックでは、昨年九月頃から海外出張などの利用者が急増し、九九年の占有率は年間平均で七五%と他のホテルに比べかなり高い数値を上げた。森氏は「占有率は経済危機以前のレベルに回復してきた。政府の経済対策が予想より早かったのが影響している」と説明している。
タイホテル協会では、ホテル業の活性化を図るため、関係機関と大規模な国際会議の開催を働きかけている。「アメージング・タイランド」キャンペーンは昨年終了し、またアジア大会のような大イベントも今年はないからである。
これからバンコクのホテル競争が激しくなるのは確実だろう。しかし、O氏が指摘したように、サービスと立地条件が良いホテルでは依然稼働率を保っており、競争率の高いバンコクに今年進出してくるホテルがあるのもも事実だ。これを受けて、五つ星、三つ星など各ホテルがどのような対策を取るかが注目されるところだ。
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