移動図書館日記
〜巡回寺子屋教室イサーンをゆく〜
96年7月12日(金)=午前= ワングン小・ノンセーンシラー小(後編)
識字率調査も好結果がでた。
【ワングン小学校】
◆三年生(六人)
〇=五人
△=一人
×=なし
◆四年生(十三人)
〇=十一人
△=一人
×=一人
◎合計(十九人)
〇=十六人(八四・二%)
△=二人(一〇・五%)
×=一人(五・三%)
【ノンセーンシラー小学校】(三年生はいない。四年生のみ)
◆四年生(三人)
〇=三人
△・×=なし
◎合計(三人)
〇=三人(一〇〇%)
△・×=なし(〇%)
ワングン小学校の四年生にひとりいる文盲は男の子でヴィチット君という。読書のあとのプリント学習(象の絵のぬり絵)では周囲の子とまったく遜色ない。それどころか、多くの色をつかい、とてもていねいにぬっていた。
ぬり絵のプリントの時間ちゅう、男の子がひとり「こんにちは」と日本語ではなしかけてきた。「はい、こんにちは」とわたしがこたえると、「『コープ クン クラップ』(タイ語で『ありがとうございます』の意)は日本語でなんといいますか」とこの男児が質問した。「あ・り・が・と・う、だよ」とわたしがゆっくり発音してあげると、彼はニコニコしながら「アリガト、アリガト…か」と二、三度くりかえしつぶやいていた。
「みなさん、きちんと正座をして、一分間だけ瞑想しましょう」
そのあいだにクローンゲーオ先生がウサギの人形をとりだした。
「はあい、目をあけて」
一・二年生が目をひらくと、目の前にかわいらしいウサギの人形がみえ、子供たちは喜びの声をあげた。
「アッ、レー」
「ウアーイ」
人形をあやつりながらクローンゲーオ先生があいさつした。
「こんにちは。みんな、元気ですか」
子供たちはすばやく反応する。
「はーい、元気です」
ウサギの人形をつかってクローンゲーオ先生がみじかい物語を話してきかせてから、読書にはいった。
三年生いじょうが読書熱心なのと同様、一・二年生もすこしだけ小声にだし、本に熱中している。クアン小学校の三・四年生よりまじめだ。
午前十一時ちょうどになると、全校児童は木造校舎ちかくの木陰にあつまり、ジェスチャーゲームをたのしんだ。
杉浦 直樹
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