移動図書館日記
〜巡回寺子屋教室イサーンをゆく〜
96年7月10日(水)=午前=ノーンパヨーム小
フアイヒンラード小学校のように児童(三・四年生)の三割ちかくが文盲という小学校もあれば、文字のよめない子は皆無といった水準のたかい所もある。
ノーンパヨーム小学校は後者に属し、読書に対する関心度はかなりたかい。クローンゲーオ先生はじめ三人の指導員は、「ここの小学校はみな読書が好きだ。勉強もよくできる」と異口同音にいう。
イギリス語の単語をかきいれてゆく、五・六年生のプリント学習の結果に、フアイヒンラード・ノーンパヨーム両小の学力の差がはっきりとあらわれた。
フアイヒンラード小学校ではすべての子供が半分以下しかできなかったが、ノーンパヨーム小学校は、十点満点こそいなかったものの、九点の男児を筆頭に全員が六問いじょう正解をかけていた。
三・四年生対象の、イソップ物語の一文をつかった国語(タイ語)力調査でもノーンパヨーム小学校はいい数字をのこした。ニッタヤー先生によると、結果はつぎのとおり(〇・△・×の基準は前項『九六年七月十日(水)=午前=フアイヒンラード小』参照)。
◆三年生(八人)
〇=三人
△=五人
×=なし
◆四年生(二十一人。ただしこの日はふたり欠席しているため、対象者は十九人)
〇=十六人
△=三人
×=なし
◎合計(二十七人)
〇=十九人(七〇・四%)
△=八人(二九・六%)
×=なし
全員あるていどしっかり読めていた。文盲はいない。
一・二年生のプリント学習(三つのうちから一番おおきな絵をえらぶ)で、最後に絵を色鉛筆で塗ってゆくのだが、そのぬり絵の仕方もしっかりしていた。フアイヒンラード小学校などはひとつの絵を一〜二色でおおざっぱにぬっていた。
だがノーンパヨーム小学校は色のつかいわけができ、ていねいだ。たとえば猫の絵で、ひと枠の胴体の部分を五つにわけて、赤・黄・だいだい色を交互につかい、しま模様にぬりわける独創的な子もいた。
イサーン農村部の小学校と一口にいっても内実はさまざまだ。教師の質をはじめ村の経済状態や子供の教育に関する親の関心度などにより、小学校児童たちの学力差はかなりことなる。
杉浦 直樹
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