サウジアラビア 売春宿からタイ人女性救出
『メッカ巡礼』の名目でパスポート取得
今月十八日、パウィナー・ホンサクン婦人・児童救済特別部会々長(国家開発党議員)は、サウジアラビアで売春を強要されていたタイ人女性三人を救出したと発表した。また同事件でのブローカーとして指名手配されていたスナ・ティアンマニ(三五)もこの日、警察に出頭した。
パウィナー女史によれば、今回、送還されたタイ人女性三人は、「レストランで仕事がある」と騙されて、昨年八月二十七日にサウジアラビアに連れていかれ、売春を強要されていたもの。
警察に出頭したスティは、「四人のタイ人女性をサウジアラビアでレストランを経営している妹のところに連れていったことは事実だが、売春をさせたというのは全くの濡れ衣だ。女達はサウジに着くなり恋人をみつけ、私がタイに連れ戻そうとしても聞き入れようとはしなかった」と容疑を全面的に否定した。
しかしこれに対して、サウジアラビアから送還された女性の一人は次のように反論している。
「スティからサウジアラビアのレストランで仕事があると誘われたため渡航を決めました。パスポートは『メッカ巡礼』の名目で作成しました。サウジに到着すると最初、三階建ての建物に連れていかれ、その一室で休んでいると、タイ人男性が入ってきて、そこで初めて仕事が〃売春〃であることを知らされました。そしてその後すぐに外国人男性が部屋に入ってきたのです。もちろん抵抗しましたが、結局は力でねじ伏せられてしまいました。そしてその部屋に監禁されたまま、売春を強要され続けました。スナはサービス料として一回二〇〇〇バーツを客に要求していましたが、自分らには一銭も払おうとせず、客が時々くれる五〇バーツ程度のチップが収入のすべてでした」
数カ月間はその売春宿で過ごしたというが、その後、国内各地を転々とすることになった。
「その後、サウジアラビアで自動車修理工場を経営しているタイ人男性と知り合い、その男性が家政婦を探していたことから、三十万バーツで身受されることになりました。そして工場に住み込むようになってからすぐにバンコクの親戚に手紙を書き、また工場主も自分の境遇に同情し、タイ大使館に連れていってくれたのです」
また別の女性被害者は、「スナにレストランでの仕事があると誘われたため、現在タイは不況で仕事がないこともあり、メッカ巡礼の名目でサウジアラビアに入国しました。そしてその後すぐに、工事現場を巡回しての売春を強制されたのです。しかし、サウジアラビアは売春の取り締まりが厳しいため、工事現場へはトラックに潜んで入り込み、到着するとそこで働いている男性に〃お披露目〃。一日最低でも八人、最高で十五人の客を取りました。客の大半はフィリピン・シンガポール・パキスタン・サウジアラビア人労働者で、一回二〇〇〇バーツ。しかし私は一銭ももらえませんでした。サディストの客や、肛門性交を強制する客もおり、仕事を始めて十ケ月後には出血が止まらなくなり、また痛みにも耐えられなくなったため、一緒に入国したスナの弟に訴えたところ、同情してくれ、スナが寝ている時に逃げ出すことができました」と証言している。
サウジアラビアにはまだ騙されて売春を強要されているタイ女性が複数いるとみられており、パウィナー議員は、外務省・サウジアラビア大使館と協力しての女性を救出に熱意を示している。
ダムロン・プッタターン上院議員は、今回の事件に関して、現在、サウジアラビアではタイ人に対して労働ビザを発給していないため、この手の誘いにのらないよう、警告している。
またオンアート・クラムパイブン外相秘書官も、「海外就労でのトラブルが増加しており、今年前半、外務省では、二千百五十人のタイ人を救助している。仮に海外就労を決める場合には、紹介者の背後関係に十分調べることが必要」と呼びかけている。
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