ミャンマーの素顔


あ〜、私もか

 人の話では多く聞いていたのですが、まさか私がこんな目に遭うとは……。私もミャンマーではアマチュアでした。

 大阪で開かれる「G―BOK」という商工会議所主催の展示会にミャンマーから出展するため、そして、中古製材機を購入するために来日した、あるミャンマー人の行動を報告します。

 彼は、チーク材を使った製材会社の責任者です。現在は製材したチークのフローリングをイタリアに輸出しています。このままでは事業拡大が難しいので、いい商品を生産して、日本に輸出したいと考え、そのためには、機械と技術者が必要だ、と計画しました。そこで、いろいろなルートを使い、私たちが日本で材木商と仕事をしていることを調べあげたあと、私に話を持ってきました。

「中古製材機が欲しいけど、紹介してくれないか」

「本当に買うの?」

「買うから、日本まで商品見に行きます」

 このような話なので、大阪の材木輸入商社から静岡の機械専門会社を紹介いただき、私たちのグループが静岡まで同行し、商談してきました。夜の会食時、私も同席し、詳しい話を聞きますと、商品を大変気に入っている様子です。日本人から言わせると、そこまでしつこく言わないでも、と思いました。そこで、私は、「お金、本当にあるの? 八百五十万円ですよ」と、しつこく何度も確認しましたが、「大丈夫です」との返事。

 この間、いろいろありましたが、結局、製材機売買契約のため、日本から社長と実務責任者がミャンマーに来ました。さあ、商談です。しかし、観光、食事とお決まりのコースで、なかなか商談できません。いろいろこちらもスケジュールがあるのに、毎日のように勝手にレストランに予約したりして、私らをイラつかせます。断るのも一苦労です。

 そして、決戦の日。私たちの通訳は優秀な人で、最終打ち合わせの前に、「あの人達は、買うつもりはありませんよ」と断言していました。

 通訳の言ったとおりでした。やはり、契約時に、「今、新工場を造っているので、お金ありません。お金持っている社長に寄付をお願いします」。

 こら、ミャンマー人、なめとんのか!

商売、商売、商売

 ミャンマーでの商売の秘訣をこの紙面でお教えしましょう。

 日本人の方が、いろいろなビジネスに挑戦されていますが、一勝九敗だそうです。これはミャンマー人と合弁、あるいはパートナーとしてビジネスを考えた場合の勝敗です。とにかく難しい。「まず私が! それは私が! けれども私が!」。ミャンマー人は、すべてこれです。運命共同体など、どこの言葉? 苦労するのは当たり前です。

 しかし、ミャンマー人の目でミャンマー人を相手に商売するとなると、いろいろ面白いものがあります。わざわざ難しいことはしないでも、成功事例はミャンマーにたくさんあります。

 建前上は、輸入禁止、何々は禁止。とにかく許可を取るのは至難の業です。しかし、禁止されているものは、実際には何でもあります、できます(でも、テクニックいります)。スーパー・マーケットまがいの店は禁止商品の山、どこから入ってくるのか不思議です。しかし、ミャンマー人から見れば、入ってきて当たり前。国境からの密輸など、どうして取り締まることができますか。

 面白いのは、水際は結構厳しいのですが、一回入ってきたものには、当局は無関心です。だから、平気で販売している店も多いです。何かよくわかりません。しっかりした考えが少ないので、儲かると思えば、誰も彼もいっぺんに参入してきます。市場規模などお構いなしです。

 旅行者の少ないこの国で旅行会社約二百社。貿易のしにくいこの国で貿易会社千社以上。名前だけで営業していない会社が多いのです。もちろん、小資本で。このさい、日本流で挑戦されてはいかがですか。もちろん、小資本で。

 ひとつ、気を付けてください。ドア付き・クーラー付きのお店、お金持ちしか、ビビッて入れません。




[BANGKOK SHUHO]