ミャンマーの素顔
関西商人・美山大助の素顔 (2)
美山大助師匠は、週に一度、ミャンマー人に関西弁を教えています。当人は日本語を教えていると言い張っていますが、関西弁こそが日本の標準語とばかり、関西弁しかクラスで教えません。ヤンゴン在住の日本の方々には関西出身と九州出身の方が多く、関東以北は肩身が狭いのです(もちろん他の先生は標準語を教えていますのでご安心を)。
ともあれ、学校通いが大好きな若いミャンマー人たちは、大助師匠の関西弁講座を楽しんで受講しているようです。日本語ガイドや通訳の方でも、「日本語は方言になるとわからない」と嘆く中で、大助師匠のクラスの生徒さんたちは、関西弁を苦もなく理解しているようにお見受けします。まったく、師匠のところの若い衆(ミャンマー人)はさぞかしご苦労も多く、と勝手に同情していたところ、彼らは師匠の話す早口の関西弁を非常によく理解しているのです。私にだってわからないところだらけなのに、なんて頭のいい人達でしょう。ミャンマーには語学のセンスがある人が多いような気がします。その上、勉強熱心。四十歳以上の方は英語に堪能な人が多いし、二十代三十代には日本語が上手な人が多い。発音もとてもいい。日本に住んだことのあるミャンマー人はもとより、行ったこともないのに日本語が非常にうまい人が多いです。
ミャンマー語は日本語と語順が同じで、「てにをは」がきちんとあります。だから、余計学習するのが楽なのかもしれません。しかし、それを言ったら、日本人も、もっとミャンマー語を話せるはずです。それなのに、案外、ミャンマー語を話せる日本人は少ない。私なんかただの怠け者なので、三日とミャンマー語学習が続きません。基本的には、郷に入りては郷に従えで、その国の言葉を話すことは在住外国人の義務であるような気がします。その点、タイ在住の日本人は、タイ語を流暢に話せる方が多く、私としてはお恥ずかしい限りです。
師匠の生徒達は、関西弁を理解しています。だが、流暢に話すところまでは至っていない様子です。なぜか少しホッとしました。日本へ行ったこともないのに、流暢に関西弁を話す外国人、何か滑稽ですが、怖くもあります。大助師匠とミャンマー人スタッフの会話といえば、関西弁+ミャンマー語です。
なぜか、日本人の人がミャンマー語を話すときは、語尾に「ね」「だろう」とか「か?」、接続詞で「だからね」「それからさ」が日本語そのままで付いてしまうものですが、師匠も同じです。ただし、関西弁の「やろ」「そやからな」が代わりに付き、日本語の比重が増えます。
例えばこんな風です。「あのな、仕事がピービー(終わった)やから、今、チェノォトァデー(俺行くで)や」
一体何語なのか理解に苦しみますが、師匠のスタッフは、しっかりと理解しています。今は聞くだけで話すことができない生徒さんたちも、将来はわかりません。そのうち、関西弁のツアー・ガイドが誕生し、「これがシュエダゴンパゴダですねん」なんてことになるかも。
美山 花子
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