ミャンマーの素顔
給料
まあ、この国くらい給料の差があるのも珍しいと思います。
要するに、目はしのきいた人はかなりの高給を取っていますが、何も分からない田舎の人たちのように薄給で生活を強いられている人もいます。どちらかと言えば、悪条件、薄給の人達の方が多いようです。
しかしヤンゴンで働いている若い人達は、より好い条件を求めて、尻の軽い転職を繰り返しています。
「給料日は怖い」とは、ある日本レストランの奥様の話。最初は納得して勤め始めているはずなのに、同じ従業員同志、通信簿よろしく見せ合い、「あなたは高い、私は安い」と、そうしてオーナーへ直談判。仕事の内容・技術・レベルを幾ら説明しても理解しません。また何も言わず給料日の翌日には店に出てこない従業員も大変多かったそうです。
事前に契約書をきっちり作成していないととんでもないことになります。
また欲もないのか目標もないのか、努力すれば給料はアップすると幾ら説明しても分かってくれないと嘆いておられました。
曰く、『暖簾に腕押し』『馬の耳に念仏』とにかく拍子抜け。
給料―その二
具体的な給料ですが、一概には言えませんが格差があるのはお分かり頂けると思います。私が知った給料は、直接本人か経営者に聞いたもので、真実に近いと思います。始めにゴルフ練習場のキャディですが千チャットの給料に+チップです。チップも一回百チャット以下では渋い顔をしています。本コースのキャディは一人三百から五百チャットのチップです。タクシーの運転手で三千から五千チャットです。レストランのウェイターで二千から五千チャットです。格差が大きいのは店の考え方にもよりますが、しっかりした店ほど当初は厳しく設定されており、実力が上がってくると当然給料もあがる仕組みを使っていらっしゃいます。しかしこの仕組みもミャンマー人にはなかなか理解してもらえそうもないとのこと。一流ホテルのウェイトレスは百ドル(約一万七千チャット)、色々な機会に直接尋ねると、面白いように答えてくれます。
この事からも、他社の給料は全て筒抜けと思って間違いありません。引き抜きの場合も相手方の情報が分かっているので簡単です。
仕事の質・量関係なく、公的情報も関係なく。ただ何となく給料は決ります。
雇用
ミャンマーに来て、事業を開始した当初は、雇用の創出を先ず考えていました。
『外国へ出稼ぎに行くミャンマー人が多いのは、潜在的な失業率が三〇%を超えているからだ』と、考えていたからです。で、事業を起こした時には少し余裕を見て、採用を行いました。しかし、採用をしてはみたものの、最初の平均勤続期間は三ヵ月程度でした。『どうして? 何が悪いのか?』と思い悩んだ夜が多く、抜本的な見直しをしてみたのですが、その頃の私の会社ほど雇用条件が良いところは、余りありませんでした。しかし、「家族の都合で、辞めさせて頂きます」と続くこともありました。その後、一度辞めた従業員が戻ってきて、「もう一度雇って下さい」「何で?」「やっぱり、他の会社より良いから」「お前、家族の都合じゃなかったのか?」「あれは嘘です」「じゃあ、ダメ!!」他社の給与が良いからと辞めておいて、やっぱりダメと戻って来る。
それ以降、わが社では、日系企業に勤務した者と一度退職した者は、門前払いしております。
美山 大助
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