ミャンマーの素顔
〜関西商人による現地報告〜
ミーターズー
日本語で言うと「家族」のこと、でも実際には、「親類」「親友」との親しい者の集まりとも言える。
ミャンマーに移住してから一、二年目の頃。採用面接を行っている時に、ある応募者から「Aさんの妹です」と、従業員の名前を出してきた。「そう?」『確か、人事表には妹はいないはずだったが』と。確かめてみると、確かに、いない。そこで、従業員のAに聞いてみた。
「ああ、彼女は妹ですよ。」
「人事表には、妹は書かれていないけど?」
「妹のように、家に出入りして親しくしているのです。」
「妹のように? じゃあ、妹ではないんだね。」
「ですから、肉親ではない、妹です。」
「じゃあ、家族(ミーターズー)は何人いるの?」
「ええと、父と母と、祖母と、叔父と、叔母と、・・・一〇人はいます。」
『なるほど、名字がないから、家族を拡大解釈しているな』と。ちなみにここの家族は、韓国と同じで、一族郎党から成功者が出ると、オンブにダッコ、尻拭いは当たり前です。
歌手になったつもり?
ミャンマー人は、歌が好きです。ほんとです。旅行などに行くと必ずって言っていいくらい、みんなで歌い始めます。でも下手です。音程がなってません。また、テレビのミャンマー放送を見ていると、ニュースか、踊りか、歌ぐらいしかやってません。それも半分以上が日本や洋楽のコピーです。
ミャンマーテレビの放送開始は、国歌と日本の軍艦マーチで始まります。みんな軍服を着て歌ってますが、ミャンマー人に聞くと「あれは、全部プロの歌手です」。テレビで歌ってる歌手たちも音程外れてます。通訳に聞いてみました「学校では音楽を教えているの?」「教えてません」。どこかで聞いたような、調子です。そうです。思い出しました。念仏の調子なんです。その中で、とりあえず音程と調子が取れるというだけで、プロの歌手になるのです。
喫茶店では、巨大なスピーカーで、最大ボリュームにしてポップスをかけてます。音が割れてます。でも、誰も気にしません。仏塔でも、同じように最大ボリュームで念仏がかかってます。そうです、歌手だけじゃなくて、お坊さんのブロマイドも売ってます。結局は同じなんです。念仏に慣れすぎた耳では、ポップスも念仏と同じように聞こえてくるのかもしれません。
美山 大助
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