アジアの風に恋をして
留学生に聞く (後編)
国立シリナカリンウイロット大学大学院聴講生の高橋マリアさんに聞きます。
・タイの嫌いな点は何ですか?
交通渋滞。空気の汚さ。これらは当然でしょう。私は、犬が好きです。それで、街中にいる犬が、蹴られて毛嫌いされているのに心が痛みます。確かに、タイでは、犬はタイ人にとっては、余り歓迎される動物ではなさそうです。例えば、口が悪い人のことを、「パック・マー」(パックは口、マーは犬)と言います。(注、筆者は、バンコクで発行されている情報誌「WEB」の八月十六日号に竜野信夫さんという方が、「異文化タイ感」というコーナーで「タイ人は、最大の軽蔑用語としてチゥットマーマー(犬のような生き方)という言い方をよくする」と書いた記事を目にした)。
タイ人は、計画性がなく時間・約束にルーズ。遅刻は当たり前。ありがとう・ゴメンナサイをはっきり言わない。笑ってごまかす。(私が)こうした点を指摘すると、心の狭い人と言われるしまた思われる。仲良くなると、プライバシーに介入するクセがある。ポケット・ベルの番号を(私の知らない内に)友達に教える。それを使おうとする。あなたの物は私の物的感覚。こうしたイヤな点、嫌いなケースに接すると、逆に日本の良さがわかるし日本人としてのアイデンティティを強く感じたりもします。
・タイ人学生と日本人学生の違いについて。
親からの援助は当たり前の感覚のタイ人です。アルバイトしてやるという考えはないようです。日本人学生は、一人や少人数の行動が当たり前です。が、タイ人は、大人数の行動です。例えば、一人で暮らしたり、一人で図書館にいたりすると、ナゼ、ナゼ、ナゼ。
大学の学部レベルは、日本の方が内容が濃いと思います。言葉が理解されてくると、講義もちょっと物足りなく感じてくる…。おしゃべりの国民性と思います。が、自分のきちんとした意見はない。日本人の方が、深く考えて意見すると思います。人と問題を起すことを避けますね。その場を丸く収めようとする。ディスカッションでもあまり盛り上がりません。
・日本人駐在員に何かありますか?
接していないので…、何か別の世界の人という感じですね。お酒やカラオケでタニヤ街に行く方は多いと聞いています。私は、通りは歩いたことはありますが、(店内が)どうなっているのか知りません。欧米の方と日本人とは、遊び方が違いますね。欧米の方は、アイリッシュ・パブ風なところ、カウンターが好きなよう。プライバシーを大切にしているように見えます。日本人の方は、仕事を中心に飲んでいる雰囲気。タニヤ街に居並ぶお店の女性たちは、余り楽しそうには見えません。女性の(私の)目を通してだからでしょうか。自分の父親ににた年の方が、私と同じ世代のタイ人のホステス風の方と腕くんでいる場面に出会います。が、私としては余りいい感じはしません。
高橋さんは、来年三月以降は当地で正式に働きたいと考えている。タイ語と日本語を使ってのフルタイムでの仕事。が、「果たして、現実に仕事にありつけられるか。日本に帰った場合、翻訳、通訳業の需要があるかどうか不安です」と言う。が、高校生の頃から目標に向かってまじめに取り組み人生の一ページを歩んできた高橋さんのこと、きっといいチャンスに会えるでしょう。コーハイ・チョーク・ディ・ナ・カップ(幸運を!)。
(OVTAタイ事務所所長) 開原 紘
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