アジアの風に恋をして

映画


 あなたは、週末はゴルフオンリーですか?たまには、映画館に足を運びますか?

 私は、邦画洋画を問わず映画を見るのが好きです。それで、今回は映画のことを書きます。

 「エリザベス」、「ライフ・イズ・ビューティフル」、「プライベート・ライアン」、 「恋におちたシェイクスピア」、「シン・レッド・ライン」。

 何だかおわかりですか?〃ピンポーン〃ときた方は、かなりの〃映画通〃と思われます。

 これは、今年七十一回目のアカデミー賞の作品賞にノミネートされた五作品のタイトルです。で、結果(三月二十一日)は、「恋におちたシェイクスピア」(英国作品)が作品、脚本、美術、作曲等七部門を取りました。もち論、私は、見ました。劇作家ウイリアム・シェイクスピアの若き日の恋を、一五九三年のロンドンの芝居小屋を舞台に四百年前のエリザベス女王の登場を交えながら展開します。シェイクスピアの代表作「ロミオとジュリエット」の名作の〃出所〃を、当人の大恋愛のINGの中で喜劇的にもロマンチックに画面に見せてくれます。タイの映画館では、珍しくつい最近までロングラン上映でした。普通、〃サヌーク好き〃のタイ人の人気ある作品でも、一カ月後位には次の作品に切り替わるタイの上映システム(?)です。やはり、劇場と配給先がアカデミー最優秀作品として長期契約したのでしょうか?。確か、バンコク・ポストの映画評コーナーにも、「こうした作品が長期に上映されているのは異例」とか書かれていました。

 私は、優秀作品は、「プライベート・ライアン」(スティーブン・スピルバーグ監督)か「シン・レッド・ライン」(テレンス・マリック監督)になるのでは、と思いました。共に第二次世界大戦の戦場が舞台です。どちらも戦争の空しさ、人の哀れを訴えています。面白かったのは、両作品が好対照で作られていたことです。

 「プライベート・ライアン」が、米軍対独軍とのノルマンディ上陸攻防戦、「シン・レッド・ライン」が日米のガダルカナル島攻防戦。「(スピルバーグ監督は)戦場の臭いまでが感じられる作品にしたかった」(AERA 四月十二日号)として「殺されるのが当然の悪者として敵を描いている」(ニューズウイーク日本版 三月三十一日号)。一方、「(テレンス監督は)すべての死者に対する同情の念を引き出す」(ニューズウイーク日本版 三月三十一日号)として「悪い奴は何も日本の軍人だけではない」(AERA

 四月十二日号)。「美と恐怖がないまぜになった美しくも生々しい映像詩」(ニューズウイーク日本版 三月三十一日号)。結局は、「プライベート・ライアン」が監督賞を含む五部門を受賞。「シン・レッド・ライン」はどういうわけか賞はありませんでした。

 さて、過日マーブンクロンの七階の映画館に行きました。四月末にニューオープンしたこのフロアーは、大小合わせて六つの映画劇場があります。ゆとりのある座席とシネアスコープ用スクリーンの良さはまずまずです。音響装置もグレイドアップされているのでグッドです。映画の作品を左右するものの一つに劇場の音響システムが装備されているか、ということがあります。恐怖、感動、喜び、失意といったシーンに欠かせないバッグ・グランド・ミュージック。これが、通り一辺倒のサウンド・システムでしかなかったら、良い作品も形なしでしょう。タイにも、内装に加えて映像と音の最新設備で見せる映画劇場ができました。またまた、私は、映画通いが多くなりそうです。

(OVTAタイ事務所所長)
開原 紘


[BANGKOK SHUHO]