アジアの風に恋をして
満足
「日本の青少年 社会に満足三十五%」。
一月三日付け毎日新聞朝刊一面左端の記事は、考えさせられた。これは、総務庁が「第六回世界青少年意識調査」=世界十一カ国調査、十八歳から二十四歳の約千人を対象=で発表したものである。驚くなかれ(?)タイ国が満足度の率でトップ(満足、やや満足含め七十六、一%)、不満足の一番低い率でトップ(同 二十四%)という数字。我がジャパンは、三十五%の満足、五十八、三%の不満足度で九番目にランク付け。因みに、米国は、六十七、七%の満足、三十、四%の不満足度。十一カ国中、満足度の一番低い国は、ロシアの十九、九%、不満足度の一番高い国は、韓国の七十三、七%。
新聞記事の範囲内では、都市部中心の調査か地方を入れての調査か、学歴、職歴等の色分け等どうなっているのか報じられていないので、上記数字をうのみにして〃一喜一憂〃するわけには行かない。が、私が、面白いと思ったのは、当地タイ国の青少年の社会に対する高い満足度の集計結果である。それに対する日本の若者のふつふつとした不満足度のパーセント。この満足、不満足は、「社会」に対しての調査であるのでやや具体性に欠けたものとはいえ、現在の各国の社会全般に関してのある程度の「国」への要求度を見ることはできると思う。
経済低迷のタイと日本である。日本人一人当たりの所得とタイのそれとは、自ずと差があることは事実である=一九九七年度、日本―三三、二二二米ドル、タイ―二、五四〇米ドル。
金持ち国の若者ならそこそこの買いたい物食べたい物したいもの等は、実現することは可能。が、そうでない国は、実現は難しい。〃高嶺の花〃で指をくわえているのが関の山かもしれない。しかし、家庭があり、友達がいて自分の周りに身の危険がなく粗食でもやっていける生活の中に身を置けるなら、満足できる日々の暮らしなのかもしれない。G1レースに出場の競争馬に似た動きを強いられている日本。抜きつ抜かれつの生活環境の中で精神的にフラストレーションが溜まる社会である。要求する物を金で買えても思考したものを満たすことが難しい日本の社会では、「社会への満足度」が十一カ国中九カ国めに位置付けされるのもあながち間違いではないのかもしれない。
タイ国民は、実際は社会生活に不満を持っていることは事実。しかし、チュアン政権がうまくいっているのか、チュアン首相のパーソナリティの力によるものか、幸いにして国を揺さぶる状況を作り出してはいない。タイ周辺各国は、まだまだ社会に対する不満がニュースのヘッドラインとして出てくる。ひるがえり、私のタイ国での生活は、昼夜、〃危機管理〃を気に留めつつ楽しく暮らしている。とすると、私の場合もタイ社会への満足度は、〃ハナマル〃といえるのだろう。
(OVTAタイ事務所所長) 開原 紘
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