アジアの風に恋をして
スチュワーデス
日本へ一時帰国の時は日航(JAL)に、バンコクへのフライトは日航系列のジャパン・エアー・チャッター(JAZ)に乗った。日本人スチュワーデスを中心としたJAL機とタイ人スチュワーデスを中心としたJAZ機の機内で両国人スチュワーデスのホスピタリティーの違いが見られた。ここでは、どちらがいいという報告ではない。
スチュワーデス(客室乗務員)が、現在も日本人女性にとって憧れの花形職業であることには違いない。といっても、昨今はテレビ局のアナウンサー職に取って代わられているようだが。
さて、ようやく手にした日本人のスチュワーデス業務では、勤務経験が浅い(つまり若い年齢の)彼女とある程度の経験積み(つまり少し若さから遠のいた年齢)の彼女とでは、体の動きにも顔の表情にもホスピタリティーそのものに違いが出てみえる。本人は知らないだけで二人に対応してもらうと明らかに違いが見て取れる。二十歳前後の彼女の動作には、なにかぎこちないがやりますという意気込みが感じられる。一方、四、五年経験済みと思われる彼女の動作には、あわてずあせらずの表情が見て取れる。が、確実に客の要求には応えてくれる。ここで、オヤジくさい言い方になってしまうが、最近の日本人スチュワーデスは、年齢や乗務経験に関係なく「笑み」が下手になったと思う。以前は、「おしぼり」と絶やさぬ「JALスマイル」が機内を快適なムードにさせた要因だったはず?。
この「笑み」が、今回のJAZ機内で見られた。言わずもがなタイ人スチュワーデスの〃天性の微笑み〃である。男の客の私は、タイ人スチユワーデスの目が合うと笑みを返す表情に決して怒りを持たない。否、いい気持ちにさせてくれる…。
〃客商売〃の彼女たちであるが、単なる微笑み上手で終るスチュワーデスではない。日本語で客の要望に答え、さりげなく乗客へ飲み物の伺いも口にしてくる。日本人客が中心の機内では、いろいろなハプニングに出会うだろう。日本人の食生活の習慣は勿論のこと言葉も理解しなければ精神的にまいってしまうだろうと思う。
私は、数年前OVTA(海外職業訓練協会)の教材関係を出版発行するセクションの課長をした時、「グローバル人づくり」という協会発行の季刊誌五三号に、日本航空による外国人スチュワーデスの訓練研修風景を記事にして出したことがある。この時、私は、羽田の客室乗務員訓練所に出向き研修中の教室や模擬機内での乗務訓練に励む欧米系を中心とした外国人訓練生の様子を見た。日本語研修にしろ緊急発生時の訓練にしろ日本人教官の厳しい問いが続き私もやや緊張を余儀なくされる雰囲気であった。この羽田の訓練所を育った外国人スチュワーデスが、日航や系列の機内で仕事をしているわけである。JAZ機内で微笑みを絶やさず、機敏に動き客に対応する多くのタイ人スチュワーデス。私が何かホットする気持ちでいられたのは、羽田での厳しい訓練の様子を知っていたからだけでなくタイ人女性のかもし出す独特なホスピタリティーの温かさを感じたからかもしれない。さて、次のフライト便は勿論…。
(OVTAタイ事務所所長) 開原 紘
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