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家庭内暴力の悲劇精神病の息子が、警察に連絡したミャンマー国籍の使用人をガラスの破片でメッタ刺し
今月5日午後7時、バンコク市内ラックソーン警察に、パーシーチャラン区の住宅地『ムーバーン・ニサーチョン』内の家で殺人事件が起きたとの通報が入った。 現場の家は、70タランワーの敷地に建つ二階建て一軒家。警察が家の中に入ると、その家の使用人であるミャンマー人の女性ニッサーさん(20)が、紺色のTシャツにブルーの長ズボンを着た姿でトイレの前で仰向けに倒れて死んでいた。 身体中を、何か鋭利な物によってメッタ刺しにされ、首と両腕にある数ヵ所の傷跡からは多量の血が流れ出ていた。背中にも三ヵ所の刺し傷があった。部屋の中はメチャクチャに荒らされており、壊れたガラスの破片が散乱してた。 その部屋の中に茫然と立ちつくしていた、家主の息子でパキスタン国籍のラーチャパーン(27)は、警察官に向かって「私がこの女性を殺しました。」と自供した。 警察の取り調べに対し、ラーチャパンは、次のようにニッサーさんを殺害するまでの過程を語った。 事件前、ラーチャパンはリビングルームで一人で酒を飲んでいたが、酔っぱらうにつれて気分がイライラし、やりきれない気持ちになったという。なぜなら、ラーチャパンは、精神障害があるとして、親から外出を禁止されており、ずっと家の中に閉じ込められている状態で、お金も一日に30バーツしかもらっていなかった。そういったストレスが溜まって、ラーチャパンは酒を飲むと決まって周りにある物を投げ付けたり、壊したりして暴れ回っていたそうである。その度にニッサーさんが警察を呼んでは鎮めてもらっていたという。 その日も、ラーチャパンは酔った挙句に冷蔵庫を倒したりして暴れ出したので、母親のヤッサパーさんは恐れをなして外に飛び出し助けを求めた。そこでニッサーさんがいつものように警察に連絡するため電話の方に走って行ったところ、それを見付けてますますカッーとなったラーチャパンは、リビングルームの中央に置かれていたテーブルのガラス板を持ち上げ、ニッサーさんの背中めがけて投げ付けた。そして床に倒れたニッサーさんの身体中を、まるで自分の中に溜まった鬱憤を晴らすように、壊れたガラスの破片で力一杯メッタ刺しにしたという。 母親のヤッサパーさんが語るには、息子は二十歳位から精神状態に異常を来すようになり、自ら「自分は神様の生まれ変わり」であると信じていたという。日頃からニッサーさんに対し、殴る蹴るなどの暴力が絶えなかったそうである。ここ三〜四年間、ニッティチッタウェー病院に入院し、治療を続け薬も飲んでいたが、今年の四月に退院してからは、もう病気は治ったと思っていたので、薬は飲ませていなかった事が今回の惨事を引き起こしたと思われる。 殺されたニッサーさんは、知人の紹介で三年前からこの家で働くようになった。ラーチャパンが暴れ出すと、警察に連絡を取るのがニッサーさんの役目だったことが裏目に出たようだ。
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