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幸運から一転、悲しみのどん底へ ツアー会社と保険会社の不誠実な対応に遺族から不満の声 まるでテレビ・ドラマのシナリオのような信じられない出来事が起こった。 バンコク市内バーンチャーグ市場にクィティアオを卸している商人・スラチャイさん(四九)は、二年前の八月十六日、その数日前に誰からか売りつけられた宝くじで一等が十枚当選、合計三〇〇〇万バーツを獲得した。 そして、それからまだ二年も経っていない先月の二十四日、スラチャイさん(別称/シア・ヤイ)は、カンチャナブリー県サンカラブリー郡にあるワンウィ・ウェーカラーム寺院へ向かう途中乗っていたツアー・バスが事故に遭い、死亡した乗客十六人の中の一人となってしまった。 スラチャイさんの遺産は、残された妻と子供達に譲られた。その遺産の一つである、一〇〇〇万バーツを投じて建てられた〃夢の家〃はまだ室内工事の途中である。 これらの事が先日タイラット紙により報道されたが、その後タイラット紙は引き続きスラチャイさんの葬儀が行われているオンヌット通りのヤーン寺院まで取材に赴いた。 葬儀場では、スラチャイさんの妻と五人の子供達が悲しみの中で健気にも立派な葬儀を執り行っていた。 スラチャイさんの棺の前で、金紙と銀紙を折って棺に入れる古代中国のお金(ユワン)を作っている妻のソンブンさんにインタビューした。 「二十四日に夫が事故で亡くなってからこのお寺で葬式を行っています。三十日にはチョンブリー県バーンブン寺院の中国人墓地に夫の遺体を埋葬する予定です。しかし、事故を起こしたバスの会社スッカモンコン・ツアーが乗客に保険をかけているシンマンコン・プラカンパイ会社からは、事故と葬儀代の保険に関して何の返答もありません。この保険会社からはプアンリード(葬儀用の奉納品)一つしか送られて来ませんでした。バス会社もまだ何もしてくれていません。現地の警察で行われた話し合いの中では、最初保険会社は葬儀代として条件無しで十万バーツを先に支払うと約束しました。バス会社からは、遺族に対し一遺体に付き八万バーツを支払うと言われました。しかし、近所に住む同じ事故で家族を亡くした遺族の方に聞いてみましたが、やはり何も受け取っていないとのことです。私たちは家族の中心的存在を失ったのですから、この事についてはとても憤りを感じています。私達は被害者でありながら自分たちで葬儀代を工面しなければならないのです。私の場合、今日までで二十万バーツ以上かかっています。不景気のため、その保険会社は資金不足で保険金が払えないのでしょうか・・・」と夫を不慮の事故で亡くした悲しみと、ツアー会社と保険会社の誠意のない態度に不満を抱いている事を語った。 マスコミが、今後のチャンタラシティポン一家の生活を支えていかねばならないソンブンさんに「これから何の仕事をする予定なのか」と聞いたところ、ソンブンさんは、「私は今後もクィティアオと乾物を卸す商売を続けて行くつもりです。なぜなら夫のスラチャイが二十年以上も家族のためにやってきた商売ですから。少し前から夫は長男のカチョーンサックにこの商売の一部を任せてきました。長男も父親似の勤勉な性格なので、宝くじで当たったお金があっても〃食べて、寝て〃という暮らしは考えず一生懸命働いてくれるでしょう」と答えた。 また、マスコミの「プリチャー・ロムグラーオ住宅地に一〇〇〇万バーツをかけて建てたヨーロッパ・スタイルの〃夢の家〃はどうするのですか?」との質問に対しては、「落ち着くまでは、工事を一時的にストップさせるつもりです」と答え、夫の突然の死に戸惑っている様子をうかがわせた。 最後に「スラチャイさんが亡くなった後、霊が現れるなど何か不思議な体験をしましたか?」との質問には、「亡き夫にお線香をあげる時に〃家族のことは心配しないで下さい。子供達にも迷惑をかけないで下さい。〃とお祈りしているので、特に変わった事は起きてません」と笑いながら答えた。
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