タイの女性は軍人がお好き?
十輪トラックの運転手が結婚詐欺

海軍大佐に成り済ましエリート女性を次々と騙す


 今月十九日午前十時、サムットプラカーン県プラプラデーン郡に住む女性プラパーシーさん(三〇)は、プラサムットチェーディー警察を訪れ、同県出身の男パイトゥーン(四四)に騙されたので逮捕してほしい、と訴え出た。

 内容は次の通りである。「パイトゥーンが私とつきあい始めた頃は、自分の名前を〃インタサック〃と名乗り、海軍大佐であると自己紹介していました。今月二十四日に結婚式を挙げる予定になっていたのです。パイトゥーンは、海軍関係者が利用する会館で式を行う予約を入れていましたが、先日会館の職員が予約確認の連絡を取ろうとしたところ、パイトゥーンからの返答が無かったとのことでした。私はこの件について全く知りませんでした。会館の責任者のシンコーンさんが予約を入れた本人から確認の返事が来ない事に疑問を抱き、さらに結婚式の招待状の中で新郎側の主催者として海軍少将のスアン氏の名前が挙がっていたので、シンコーンさんが海軍の事務局に問い合わせて見たところ、〃インタサック〃も〃スアン〃の名前もどちらも存在していない事が判明したのです。シンコーンさんはこの事を私に伝え、直ぐにプラチェディー警察に申し出た方が良いと勧めてくれました。予想外の話にビックリした私は、自分でも調べてみたのです。その結果、海軍のインタサックと名乗っていた男は、実は十輪トラックの運転手をしているパイトゥーンという名前の男である事が分かったのです。それで警察に逮捕の依頼を申し出ました」

 プラパーシーさんは、さらに警察からの事情聴取に対し次のように証言した。

 「前の夫と別れて、現在は両親の家に同居しています。一ヶ月前に〃インタサック〃と名乗ったパイトゥーンに出会いました。つきあい始めてからも、彼は常に海軍のエリート上官のように振る舞い、五月十一日には海軍少将に昇進する話しもしていました。なぜ彼の事を信じたかというと、いつもタイ国軍隊発行の写真入り身分証明書を持っており、また身分を示す肩章の付いた海軍の制服をきちんと来ていたので疑う余地もありませんでした。五月十一日に昇進した後も、海軍士官学校や関係機関を一緒に歩いていると、学生や他の軍人達から敬礼の挨拶を受けていました。彼とつきあい始めて間もなく、友人から〃付き合いを止めた方がいい〃と電話で言われたこともありました。なぜなら、サムットプラカーン県内で何人もの女性がパイトゥーンに同じ手口で騙されたが、被害者の女性達は皆銀行員や国家公務員などのエリートだったので、騙された恥ずかしさと人に知られるのを恐れて、誰も警察に届け出る人は居なかったそうです。最初は私も友人の話しを信じませんでした。しかし、今回全ての事実が明らかになったので、私は最後まで闘うつもりでいます」

 警察は、パイトゥーン逮捕に先駆け、プラパーシーさんに「その日の午後、プラプラデーン郡ソイ・ヤープレーグの前で待ち合わせるよう電話で呼び出してほしい」旨を伝え、計画を立てた。

 約束の時間通りにパイトゥーンは姿を見せた。そこを狙って、近くに隠れていた警察官が飛び出しパイトゥーンを取り押さえる。逮捕されたパイトゥーンは一瞬顔色を変え慌てたが、プラパーシーさんが現れ「この男が私を騙しました!!」と指さしながら証言すると、そのまま抵抗することもなく署に連行された。

 警察は、詐欺と公文書偽造、許可なく海軍の制服を着用した容疑でパイトゥーンを逮捕した。

 警察での取り調べに対し、パイトゥーンは、本当は十輪トラックの運転手である事、結婚詐欺を計画した理由は招待者からのお祝い金が目当てだった事、昔、短期間だけ海軍に入っていた経験があり、その時海軍内部のシステムを知ったこと等を自供。そして去年チョンブリー県でも同じ容疑で逮捕された事実も判明した。

 マスコミが独自でパイトゥーンの過去を調べたところ、サムットプラカーン県の有名なエリート女性を騙した経歴があるが、彼が海軍の制服を着た姿はバシッときまっており、とても十輪トラックの運転手には見えなかったことから、被害者の女性達は皆信じて疑わなかったことも分かった。

 警察は、海軍局にこの事件を報告。局側はパイトゥーンを訴える意向を伝えてきた。

 こうしてプラパーシーさんが心待ちにしていた結婚式は、思いがけない結末を迎え、必然的にキャンセルとなった。 。



[BANGKOK SHUHO]

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