親が目を離した一瞬の間の悲劇

1才半の坊や、六輪トラックに頭部を轢かれ即死


今月十七日午前七時、バンコク都内バンチャン警察署は、ブングン区スカピバン3通り、ソイ・ミスティン内のPTTガソリン・スタンド前で子供が車に轢かれたという通報を受けた。

警察が事故現場に駆け付けると、轢かれた子供の父親のシティシェートさん(二四)と母親のワンニーさん(二六)が、一才半になる息子ウォラウットちゃんの亡骸を抱きしめて泣き叫んでいた。子供の頭部左側は無残にも車に轢き潰されていた。警察は検死のためファンディーちゃんの遺体を警察病院に運んだ。

シティシェートさんはミンブリ県出身で、妻のワンニーさんとは数年前から一緒に暮らしているが結婚届は出していない。二人の間には二人の息子、ティラテープちゃん(四)と今回の事故で死亡したウォラウットちゃんがいる。一家はソイ・ミスティンの奥の小路にある借家に住んでおり、シティシェートさんは以前はソンテオ(小型トラック・タクシー)の運転手をしていたが、ウォラウットちゃんが生まれた後は、仕事を辞めて家で二人の子供の面倒を見ていた。ワンニーさんは、ラカバン工業団地にあるガーメント工場で働いている。

ワンニーさんは、毎朝ウォラウットちゃんを抱いた夫と一緒にバイク・タクシーに乗って出掛け、今回事故の起きたガソリン・スタンド辺りで降り、そこからバスに乗り換えて仕事場に通っていた。

その日の朝も、いつものようにガソリン・スタンドで三人は降り、父親がバイクの運転手に金を払っている間に、ウォラウットちゃんは父親の手から離れて一人で道路の中央に向かって歩き出した。その時、ウアンという男の運転する六輪車のソンテオが走って来てガソリン・スタンド前に停車した。ソンテオから乗客が降りている間にウォラウットちゃんが車の後部タイヤに近づいて来たので、車内に居た二十人位の乗客が「子供がいるぞ!気を付けろ!」と叫んで運転手に注意したが、運転席のウアンはその声にも気付かずに車を発車させた直後に、「ペッ」という音が聞こえ、ウォラウットちゃんは頭部を後部タイヤに潰されて即死した。

シティシェートさんは息子が車に轢かれた事に気付き直ぐに駆け寄ったが、既に遅く、愛する息子は死亡していた。

運転手のウアンは事態に気付き車から降りて来たが、子供が死んでいる事を知ると慌ててその場から逃げ去ったという。

シティシェートさんは、息子を一瞬の間に亡くした悲しみに絶望し、「妻の方が安定した収入があるため、私が子供たちの面倒を見ることにしました。今住んでいる家も借家なので、お金を貯めて自分たちの家を買う計画も立てていましたが、もうこの子が死んだ事でその夢も消えてしまいました。でも、イスラム教の習慣で二十四時間以内に遺体を埋葬しなければなりません・・・」と泣きながら語った。



[BANGKOK SHUHO]

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