スクムヴィット、ソイ八で白昼堂々の強奪事件

『人生最後の夢』を奪われたドイツ人医師、失意のどん底に


 今月二十日午後四時、バンコク市内パトゥムワン区ルンピニー地区、ソイ・ランスアンにあるツーリスト・ポリスに、真っ青な顔をした一人の外国人男性が慌てて飛び込んできて、「今日の午後二時半頃、スクムヴィット通りのソイ八の入口で、チョッパー(ハーレー型の大型バイク)に乗った二人組の男に、12万ドイツマルク(約210万バーツ)の入った封筒を奪われた」と訴えた。

 被害に遭ったその男性は、ドイツ国籍の医師イリックさん(49)で、現在はクスムヴィット、ソイ八に滞在中。

 イリックさんは、警察で次のように詳しく事件のいきさつを話した。

 「私は、人生の最終目的としてタイに住む事を決めていました。今まで色々な国に行きましたが、タイが一番気に入ったからです。そのために、自分の実家で医者として働き、お金を貯めて、今月8日にタイに来たのです。そして、しばらくはソイ八に滞在、いずれは家を買う予定にしていました。今日の午後、現金12万マルクを入れた封筒を上着の右側内ポケットに入れて銀行に行き、バーツに両替してそのまま銀行口座に入金するつもりでホテルを出たのです。ソイの入口付近で、黒いシャツを来てヘルメットを被った二人の男が、チョッパーに乗って私の後を付いて来たことに気づきました。その時、後部に座っていた太った男がいきなり私を強く突き倒したのです。そしてその男は、道路に倒れた私の内ポケットから現金の入った封筒を抜き取ると、急いでバイクに乗ってスクムヴィット通りに出て、プラカノーン方面へ走り去って行きました。私は、回りの通行人に大声で助けを求めながら、バイクの後を追い掛けようと必死になって走りましたが、もう無理でした。そして、ツーリスト・ポリスに訴えに出向いたのです。」

 警察は、イリックさんから犯人の顔や特徴を聞き出し、無線で連絡して犯人の足取りを捜したが、まだ逮捕には至っていない。

 警察では、今回イリックさんを襲った犯人は、スクムヴィット界隈で観光客を狙って犯行を重ねているグループの中の者と判断し、今後詳しく調査し逮捕を急ぐとしている。

 イリックさんは絶望的な気持ちのままホテルに戻り、「人生の後半をタイでの充実した生活を送るという計画で生きて来たのに、今回の事件で夢とお金の両方を失い、もう生きる意欲も無くなってしまった…」と失意の中で語った。



[BANGKOK SHUHO]

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