サッカー賭博の悲劇
ビデオ屋店主を射殺
借金返済のもつれから
今月九日午前九時三〇分、スパンブリー県内の市場近くにあるレンタル・ビデオ店「エド・ビデオ」で殺人事件が起きたとの通報が入った。
警察が現場に駆けつけると、店の前には事件を聞きつけた近くの住民が大勢集まっていた。
店内はメチャクチャに荒らされ、棚に並べられたビデオ・テープの一本に打ち込まれた銃弾を発見。外に倒れている負傷者を病院に運んだが、間もなく死亡した。
死亡したのはビデオ屋のオーナー、デーッポンさん(愛称エド/三三)。背中から撃たれ、弾は心臓を貫通。顔面にはオートバイで轢かれたタイヤの跡があった。
妻のチャンタナーさん(三二)は、突然目の前で起こった夫の惨事にショックと悲しみに耐えながら、次のように証言した。
「夫が、店の中で本を読んでいると、近くの市場に住んでいるソンティチャイ(四二)という男がオートバイに乗って夫に会いに来ました。ソンティチャイは、夫が外国のサッカー試合の賭けで作った借金十三万バーツの返済を迫りました。夫は、はじめに十万バーツを返し、後で残りの三万バーツを返したいと交渉しましたが、ソンティチャイは夫の言う事に納得せず、大声で『今日中に全額返してもらうからな!』と怒鳴りました。 夫はそこを何とかして欲しいと懇願しましたが、カッとなったソンティチャイは持っていたピストルを取り出すと、夫目がけて発砲しようとしたのです。夫は彼に飛びかかり抵抗し、ソンティチャイは二発発砲しました。異様な音に気づいた近所の人達が店を覗きに来ましたが、誰もソンティチャイを止められませんでした。 夫は隙を見て外に飛び出しましたが、ソンティチャイは夫の後を追いかけ、また、発砲しました。その弾は外れましたが、さらにビルの角を曲がって逃げようとする夫に向ってもう一発発射、今度の弾は夫の背中に命中しました。ソンティチャイは、道路に倒れた夫の顔の上をオートバイで轢いて、そのまま逃げて行きました。逃げる途中、オートバイを乗り捨てて車に乗り換え、逃げ去ったのです」。
|