エッチな電話で女性に嫌がらせ
住民の協力で変質者を捕らえる
被害者女性自らおとりになる
九月三十日午後一時三〇分、バンコク都内クロンタン警察に、スワンルアン区パタナカン通りソイ・マハウィタヤライ・カセムバンディットにある『ヌッチャクリ・アパートメント』の住民から、アパート内で猥褻行為を行った変質者を捕まえたので逮捕しに来てほしい、との通報が入った。
警察が現場に駆けつけると、被害者の女性を含む数人が二階二〇六号室前で警察が来るのを待っていた。犯人の男は鍵の掛かった部屋に閉じこめられていた。
警察がドアを開けると、部屋の中には四〇才代の色白で痩せた男が不安げな様子で立っていた。男は高級革靴を履き、ブランド物のシャツにジーンズというお洒落な格好。捕らえられた時に殴られたのか、右眉辺りが薄黒く腫れ上がっていた。
警察は容疑者の男と被害者他数名を署に連行し、取り調べ及び事情聴取を行った。
被害者である二〇六号室の住人チンタパットさん(二八)は、次のように証言した。
「朝七時半頃知らない男から電話があり、含みのあるイヤらしい声で〃お嬢さん、今何してるのぉ? 今日のパンティは何色? おじさんとセックスしてみない?…〃 などとエッチな事を次々と囁いてきました。また、ポルノ・ビデオから流れてくるような女性のあえぎ声を聞かせたりもしました」。
その時、チンタパットさんはその男の声が三日ほど前にもかかってきた同様の電話の声と似ていることに気付いた。また、同じアパートに住んでいる数人の女性も、最近頭のおかしな男からイヤらしい電話がかかってきて困っていることを思い出した。そこでチンタパットさんは勇気を奮って「じゃあ、私の部屋に来ない?」と男に誘いをかけてみた。
電話を切った後、チンタパットさんはアパートに住んでいる男友達のマルットさん(三三)他四人に協力を依頼。アパート一階の入口から部屋の周囲にかけて手分けして監視することにした。
午後一時頃、アパートから一〇〇メートルほど離れた所にピックアップが駐車、降りてきた男がアパートの二階に上がっていくのを目撃した。その後、男がチンタパットさんの部屋に入るのを見届けた。
部屋に入った男が、ソファに腰掛けてチンタパットさんの足を撫で回すのを確認したマルットさんらは、急いで部屋に飛び込み、男の顔を二〜三発殴り、取り押さえた。男は簡単に観念したという。
容疑者の男は、サムットプラカン県出身のソムチャイ(四一)。
警察の取り調べに対し、ソムチャイは弱々しく犯行を認め、自分の携帯を使ってあちこちのアパートに住んでいる一人暮らしの女性にエッチな電話をかけては楽しんでいたことを自供した。
警察はソムチャイに対し、他人に迷惑をかけた罪で一、〇〇〇バーツの罰金を命じただけで、猥褻行為に関しては何のお咎めもなかった。ソムチャイはその後すぐに保釈。協力して計画的に犯人を捕まえた被害者達は、警察の処分に対し不満の声を漏らし、再犯の不安を隠せない様子だった。
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