6才の女の子、21才の従兄弟に誘拐される

金に困った挙げ句, 幼稚園に迎えに来た父兄を装う


 今月二十二日午後二時三〇分、バイヨーク第二タワーで衣類の貿易会社を経営するウィラワットさん(三八)はブンクム警察を訪れ、ブンクム区にあるベンジャミン学校の幼稚園に通う六才の娘サシトーン(愛称/ノーン・メイ)が校内で誘拐されたので助けて欲しいと訴えた。

 警察が学校関係者に聴き取り調査を行った結果、犯人はサシトーンちゃんと顔見知りの者である可能性が強いことが分かり、一人の犯人像が浮かび上がった。

 その男の名はウォラパン(二一)。ウィラワットさんの兄の息子、つまり甥に当たる男でサシトーンちゃんにとっては従兄弟になる。ウォラパンの写真を目撃者である教職員に見せて確認したところ、間違いなく犯人であり、オカマの友人と一緒に学校に現れたことが分かった。

 警察は直ちにウォラパンとその友人の捜査を開始。

 同日の午前一時三〇分、ウィラワットさんの自宅にオカマの声で電話がかかってきた。電話を取ったのはサシトーンちゃんの母親であるシリヤポーンさん(三六)。電話の相手は「ノーン・メイを返してほ・し・い?」と聞いてきた。シリヤポーンさんは、電話での会話を長引かせるようにとの警察からの指示に従い、ウォラパンに電話を代わって欲しいと告げた。電話に出たウォラパンはノーン・メイの命と引き替えに七〇万バーツを要求。再度電話を入れてもらい交換場所を決める約束をして電話を切った。

 その後午前二時頃再びかかってきた犯人からの電話で、警察は逆探知に成功。犯人の居場所がバンラック区ソイ・コンベントであることが分かった。

 警察が現場に駆けつけると、道路際の公衆電話でウォラパンと友人のパディット(二二)が話しているところを発見。二人をその場で逮捕した。二人は、シーロム通りソイ・ピパット二の木造二階建て借家の一室にサシトーンちゃんを監禁していることを自供。

 警察は、一階の鍵の掛けられた部屋のソファーで熊のぬいぐるみを抱いて眠っているサシトーンちゃんを無事保護し、犯人二人を伴って警察に戻った。

 ウォラパンの供述により、二年ほど前一時的にウィラワットさんの家に同居していたのでサシトーンちゃんとは親しかったこと、家を出た後働き始めたパッポンのゲイバーが不況の煽りを受けて客が減り、収入も激減したため友人のパディットと二人でサシトーンちゃん誘拐の計画を企てたことが分かった。

 事件当日、ウォラパンはパディットと一緒にベンジャミン幼稚園に行き、「お母さんの代わりに迎えにきたよ」と声を掛けたところ、サシトーンちゃんは何の疑いもなく素直についてきたという。

 その後三人はタクシーに乗ってバンカピ辺りのデパートに行き、帰りはバスに乗りシーロムまで戻った。

 警察はウォラパンとパディットの二人を十五才未満の児童誘拐・監禁の容疑で逮捕し、現場検証を実施した。また、警察は学校側に対し、子供達を送迎する父兄と安全対策を話し合う必要があることを要請。今回は誘拐後十二時間以内に無事保護されたが、他のケースでは危険な場合も多く、子供の命にかかわる場合もあることを強調している。


[BANGKOK SHUHO]

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