時間差夫婦心中

“身分違いの結婚” と大反対された苦悩から夫が首吊り自殺、身重の妻も後追い首吊


 今月十四日午前十時、プーケット県チャローン警察に、ワット・サワンアロム寺院裏にある賃貸長屋で首吊り死体が発見された、との通報が入った。

 現場は、木造平屋の部屋が十軒並ぶ長屋の四番目の部屋。辺りには鼻を覆う悪臭が漂っていた。

 駆けつけた警察官が部屋のドアを開けると、部屋の中には男女の首吊り死体が並んで揺れていた。電気コードで首を吊っており、死体からは無数のウジ虫がわいていた。死体の腐敗状況から見て、死後約一週間経過と推察された。

 ぶら下がる死体の下には、首を吊る際使用したと思われる椅子が転がっていた。

 警察が二人の死体を下ろして調べた結果、男性はゴーウィックさん(二二)、プーケット県出身。女性はペチャラットさん(二一)、同じくプーケット県出身と判明。

 部屋の中にはゴーウィックさんの自筆による三枚の遺書が残されていた。内容はゴーウィックさんのペチャラットさんに対する深い愛を書き綴ったもので、二人の結婚生活には困難が多すぎる事、ペチャラットさんは既に妊娠四ヶ月の身重であるにもかかわらず、ゴーウィックさんが身分が低く釣り合わないという理由で彼女の親戚から結婚を猛反対されていた事などが書かれていた。

 警察はこの遺書を証拠物件として押収した。

 その後の調査により、ゴーウィックさんは一人暮らしをしていて、古い物を拾い、それらを売り歩く商売をしていたこと、一年程前に、たまたま身分の高い金持ちの娘であるペチャラットさんと出会い、二人は恋に落ち、付き合い始めて間もなく深い関係になったことなどが分かった。

 ペチャラットさんの親たちは娘がゴーウィックさんに騙されていると心配し、二人の関係を断とうと躍起になった。そのうちペチャラットさんが妊娠したため、ゴーウィックさんは彼女を連れて結婚届を提出に行き、そのまま二人はゴーウィックさんの長屋の狭い部屋で暮らし始めた。二人は協力し合って古い物を拾っては売る仕事を続けた。

 警察が部屋の中を調べた結果、今回の事件は殺人事件ではなく、二人が心中を図ったものと断定した。

 ゴーウィックさんの遺書の他にメモ書きも発見され、「全ての問題は私が原因している。私のせいで妻と生まれて来る子供が苦労することになる。私さえいなければ、妻は実家に戻り、苦労することなく楽に暮らしていけるだろう。だから、私は死を選ぶ。首を吊って死ぬ」という内容が書かれていた。

 警察は、ペチャラットさんが家に戻ると夫が首を吊って死んでいたため、ショックで絶望的になったペチャラットさんが自分も一緒に死のうと発作的に後を追ったものと見ている。


[BANGKOK SHUHO]