〃ヘソ下の秘め事〃を
他人に喋った女房に腹を立て、10才年下亭主がナイフ片手に狂乱劇
先月二十八日午前九時三十分、バンコク都内コークラーム警察に、ある女性がナイフで刺されて負傷した、との通報が入った。
事件が起こった場所はブンクン区。負傷した女性はノッパラットラーチャタニー病院に運ばれたとのことであった。
警察が現場に駆けつけた時には、既に乾き始めた大量の血痕が床に残っていた。
負傷した女性は、ローイエット県出身のドーグマーイさん(四六)。体全体に、刃物による刺し傷や切り傷が無数に見られた。特に右腕の傷は骨にまで達していた。顔面は強く殴られたのか腫れ上がり、目の回りには黒アザが出来ていた。さらに、ドーグマーイさんが履いていた長ズボンの足の付け根部分が切り裂かれており、犯人の狂気ぶりがうかがえた。
その後治療に当たった医師から、何十針も縫う手術をし、念のため頭部レントゲンも撮った事が伝えられた。
被害者のドーグマーイさんは、次のように証言した。
「私をナイフで刺した犯人は、夫のニット(三五)です。ニットとは六年間一緒に暮らしています。昨日夜中、ニットから殴る蹴るの暴力を受けた挙げ句にナイフで体中を刺されました。十才年下のニットの仕事は、『バンチャン』というお笑いバンドでギターの担当をしています。私達は結婚届も出していませんし、子供もいません。ソーイ・プレムルタイ一に住んでいます。私はシーフード・レストラン『オーワン・プー』で家政婦の仕事をしています。昨夜夜中の一時頃、私が仕事を終えて家に戻り、ベルを鳴らして夫にドアを開けてもらったところ、部屋中が酒の臭いで充満していました。夫は泥酔状態で機嫌が悪く最悪の雰囲気でした。夫は何も言わずに、いきなり私を部屋の中に引きずり込み、〃お前!俺達の蚊帳の中の出来事を誰に喋ったんだぁ!!〃と怒鳴りながら殴る蹴るの暴力をふるいました。それだけでなく、私が何も答えない事に腹を立てた夫は、台所からナイフを持って来て〃お前分かるか?お前が俺達のそんな事まで他人に話して…。俺がどんな恥ずかしい思いをしたか!!〃と叫びながら斬りつけてきました。私は必死に抵抗しましたが、とうてい夫の力には勝てず、体中をナイフで刺されたり、切られたりしました。さらにニットは、私の局部を狙ってナイフで刺そうとしてきたので、力を振り絞って体をずらし、ようやく逃れる事ができたのです。もし、あの時逃げる事が出来なかったら、新聞に〃アソコを滅多刺しにされた事件〃として世間に報道されてしまったでしょう」。
そこでドーグマーイさんは、証拠として切り裂かれた長ズボンを見せた。
ニットはその後も、ドーグマーイさんが気を失うまで足で踏んづけたり蹴飛ばしたりし続けたという。
朝になり、意識が戻ったドーグマーイさんは、助けを求めて外に這い出し力尽きてしまったところを近所の人に発見された。
マスコミがニットの暴力の原因について質問したところ、「それはゼッタイに言えません!もし喋ったら今度はニットに殺されます!」と怯えながら答えた。
現場の部屋では、ニットが返り血で血だらけになって寝転がっていた。
ニットは、妻をナイフで刺した事実を認め、原因は妻が夫婦間の〃ヘソの下〃の話題を他人にペラペラ喋るため、その事で人からからかわれて物凄く恥ずかしい思いをし、悔しさから犯行に走った事を供述した。
ニットは犯行に至るまでの動機について次のように語った。
「ドーグマーイとは『プラチャチューン・カフェー』で知り合いました。その時彼女はマッサージ嬢として働いていましたが、その事は気にならなかったので一緒に暮らすことにしました。彼女の行動には常々不満を持っていました。酒を飲むと男友達の体に触ったり、マッサージをしてあげたりするんです。一番腹が立ったのは、彼女のお喋りで、夫婦のベッドの中の出来事まで近所の人、それも男に話すんです。夕べ、友達と酒を飲んでいると、友達から〃お前は女房相手にこんな事をやっただろう?〃と身振り手振りでからかわれ、スゴク悔しかった。最初は〃もう二度と人には喋るな!〃と軽く脅すつもりだったのが、酔っぱらっていたのでエスカレートしてしまい、逮捕されてしまいました」。
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