八十一才の老母、行方不明の娘を捜し
マスコミに涙の呼びかけ

遺産相続を無事済ませたい、と悲しい母心


 今月九日午後二時頃、ロッブリー県ターウォン郡に住む八十一才の女性プランさんは、タイラット紙ロッブリー支局を訪れ「行方不明の娘を捜してほしい」と訴えた。

 娘の名前はプラトゥムさん(四八)。何年か前にバンコクに出稼ぎに行ったまま連絡が途絶えたという。娘に戻って来て欲しい理由は、プランさんの財産からプラトゥムさんに譲与される分四〇〇万バーツを早く受け継いでほしいからとのことである。

 プランさんは次のように説明した。

 「私は未亡人です。夫を二十年以上前に亡くしてからは四人の子供を一人で育ててきました。長男のブンソム(六〇)は、シンブリー県で家族と一緒に米を作っています。長女のウボン(五〇)は、ターウォン郡で家族と一緒に畑作を営んでいます。そして行方不明のプラトゥムは次女に当たります。三女のゲーソン(四一)は結婚してマハーラート・プロジェクトで仕事をしています。私には五〇ライの水田と六ライの畑、そして土地付き家屋が有り、まあ食べていくのには十分な生活を送ることができています。夫が亡くなった後、子供達はそれぞれ独立して別々に暮らし、プラトゥムが私の面倒を見てくれていました。四年前に、娘婿であるプラトゥムのダンナのトンチャイと二人でバンコクで仕事を捜すために家を出ました。それ以来、音信不通で全く連絡が取れない状態です。プラトゥムの兄弟に頼んで捜してもらいましたが、見つかりませんでした。いったいどうしたんだろうと、心配でなりません・・・。二年前に一千万バーツで水田を売り払い、子供達に平等に分け与えました。プラトゥムの取り分の三〇〇万バーツは銀行に預けてあります。その他に、私が死んだら農協銀行から十四万バーツの保険が支払われることになっており、それプラス土地付き家屋と一・五ライの畑、合わせて四〇〇万バーツがプラトゥムに遺産として残ることになっています。」

 さらにプランさんは、涙を流しながら話を続けた。

 「今年の頭に私は卵巣癌になり、レーザー治療を続けて今は安定しています。でも、何にしてももう年なので、一日も早くプラトゥムを捜し出して私の遺産を受け取ってもらい、安心したいのです。心安らかに死んで行きたいのです。娘もその財産を受け継いだら、もう苦労しなくても生きて行けるのですから。どうぞマスコミからこの老いた母の気持ちを伝えて下さい。私は家で娘の帰りを待っていますから。」と言い終えると、プランさんは小さな背を向けて寂しそうに家路を急いだ。


[BANGKOK SHUHO]