妻公認で
二番目の花嫁との結婚式
夫は日替わりで二人の妻の部屋を行き来
スパンブリー県タイラット紙ニュースセンターのマスコミによると、今月十五日朝、同県ウートーン郡スアンプルー住宅の所有者であるナームティップさんという四十五才の女性が、ちょっと変わった結婚式を執り行ったとのことである。
花嫁はナームティップさんの娘ウッサーさん(二三)、花婿はプラチュアッブキリカーン県プランブリー郡の陸軍三等准尉であるアグソーンサックさん(三九)。二人の結婚式を祝おうと近くの住民が大勢集まり式を盛り上げた。
この結婚式が普通と少し違っている点は、アグソーンサックさんは既に結婚しており、チャンチラーさんという正式な妻を持つ身であるからである。さらにチャンチラーさんは、夫とウッサーさんとの結婚の橋渡しを成し遂げた、いわば仲人の役割も果たしていたという。約十万バーツの結婚式の費用もチャンチラーさんが提供した。
マスコミは、花嫁を迎えに行く準備で忙しい最中のチャンチラーさんに、妻でありながらミア・ルアン(第一夫人)にもなったいきさつをインタビューした。
「私が夫のアグソーンサックと結婚したのは十八年前です。子供は二人居ます。長女のアッチャラーは十六才でスックサーナーリー高校の二年生です。長男のジラサックは十三才でワットラーチャボピット中学の三年生です。私と夫は二人で力を合わせて働いて来て、今ようやくプラチュアッブキリカーン県プランブリー郡にあるパークナーム・プランブリー市場に三階立ての中型スーパーマーケット〃OX〃を経営できる程になりました。売り上げは、一日八万バーツ〜十二万バーツです。まあ、家族の生活費には十分ですし、子供達をバンコクの学校に通わせることも出来ました。夫は軍人ですからスーパーマーケットの仕事を手伝うことは出来ません。二人の子供もバンコクに居ますから、私一人で商売の全てを管理運営していかなければならないのです。六年前、私の郷里であるスパンブリー県のウートン郡に帰省した際、スーパーの仕事を手伝ってもらうために、遠い親戚にあたるウッサーさんを連れて来ました。ウッサーさんは勤勉で真面目な性格なのでとても助かりました。そこで、思い切って夫に、ウッサーさんを二番目の奥さんとして家に来て貰い、一緒に仕事を手伝ってもらえたら安心だ、という話を相談してみたのです。そうすれば、ウッサーさんも経営者の一人になれますから。それを聞いた夫は、最初妻から試されているだけだと思って、その相談話をまともには受け取りませんでした。しかし、私の気持ちが本当であると説得したところ、夫も納得してくれ、今日の結婚式に至った訳なのです」
次にマスコミは、幸せ一杯元気一杯の花婿アグソーンサックさんにインタビューのマイクを向けた。
「ウッサーを二番目の妻として迎え入れることには何の問題もありません。二人の子供も認めています。特にウッサーは子供達のピー・リアン(世話係)として色々面倒を見てくれていますし、子供達もよくなついています。二人の妻の部屋は隣同士に有り、私は二人の部屋で毎日交互に過ごします。一週間の内四日間はチャンチラーと一緒に寝て、三日間はウッサーと一緒に寝るという具合です。私は軍人ですから毎日体を鍛えているので、健康面では何の心配も不要です。公務員という立場から、二人の妻を持つことに問題は無いのかと危惧する人も居ますが、特に違法ではありませんし、皆が認めて祝福してくれていますから。但し、結婚届は既にチャンチラーと提出しているので、ウッサーとは出来ませんが、二人を平等に扱いたいと思っています」
今日のヒロインである花嫁ウッサーさんは、「今日はとても嬉しいです。チャンチラー叔母さんには感謝しています。同じ建物の中で同じ旦那様を持つ事を認めてくれたのですから。このようになれるとは思ってもいませんでした。だから最高の主婦になるようガンバリます。チャンチラー叔母さんの仕事の手伝いも一生懸命したいと思います。財産の問題は無いです。私は無欲なので、何も要りません。家族の幸せを一番大切にしたいのです」
マスコミからの「アグソーンサックさんが、将来三番目の奥さんをもらうことも考えられるのか?」の質問に対し、第一夫人のチャンチラーさんは、「それは無いと思います。夫はそういう人ではありませんから」と自信を持って答えた。
ようやく結婚式が始まった。花婿は濃いグレーのスーツ、仲人役のチャンチラーさんは淡い緑色のタイシルクのスーツを着て、結納品を抱えた子供達と共に花嫁を迎えに行く儀式が行われた。
式を取り仕切るのは、人生経験豊富なチャンチラーさんの母親チャムラットさん(六二)。
朝八時三十九分に家を出発。数百人の人々が見守る中、花嫁はピンクのウェディングドレスに身を包み、近所の家で花婿が迎えに来るのを待っている。
チャンチラーさんが用意した結納品は、現金四万五千バーツ、重さ十バーツの金のネックレスとブレスレット、そして一カラットのダイヤモンドだった。
家にたどり着いた花婿と共に結納品を交わす儀式が始まる。双方の親族一同が新郎新婦を暖かく見守り、集まった人々を羨ましがらせた。
その日の夕方、ウッサーさんの家では八十卓の食事が用意され祝宴が行われた。
式が無事終了した後、花婿は二人の妻と子供達を連れて、プラチュアッブキリカーン県のプランブリー郡にある自宅に帰り、幸せな新生活がスタートした。
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