奇病?それとも水虫が全身に転移?
ミイラのように体中を包帯で巻き、激痒に耐える七十二才の男性
呪術師の〃聖水〃も逆効果に
今月二十一日午後一時三〇分、マスコミは、タイ東北部ムクダハン県ニコムカムソイ郡にあるニコムカムソイ病院に、奇病を罹った患者が治療を受けているという情報をキャッチ、直ぐに取材に赴いた。
病院では、ムクダハン県出身の男性チュンさん(七二)が、まるでミイラのように全身を包帯でぐるぐる巻きにした状態でベッドに横たわっていた。頭部の毛髪は抜け落ち、皮膚には白と黒の斑点模様が出ていた。体中に激しい痒みが走り回る度、チュンさんは「痒〜い!痒〜い!」と苦痛の声を発していた。
マスコミが部屋に入った時は、医師と看護婦が頭部の生乾きの瘡蓋を取り除く治療を行っている最中であった。
チュンさんの娘スピンさん(四〇)は、次のように父親の病状を説明した。
「父は三年程前からこの病気に苦しんでいます。最初は、右足の裏に水疱ができ、痒いので掻いているうちに水疱が潰れ、その後全身に広がりました。薬も飲みましたが、いっこうに良くなりませんでした。そこで、ライ病患者の治療で有名なアムナートチャルン県の病院に入院し治療を受けたところ少し回復したので退院し、自宅治療を続けていました。その後、村の呪術師から〃ピーが体内に入り込んでいる〃と言われ、チャンパーという花を入れた聖水を一日に五回全身に振りかけるよう命じられました。言われた通りにしているうちに、容態は急変し、症状は悪化するばかりでした。ある日は体が燃えるように熱く、またある日は震える程寒くなるというように。父親のそんな様子に見かねた私達は、父を再度入院させることにしたのです」
担当医で皮膚病の専門医であるゴンキアッド医師は、「この患者は五日前に入院しましたが、手遅れに近いかなりヒドイ状態でした。最初は、黴菌を殺す薬と痒み止めの薬を塗る治療をしています。足の裏に黴菌が付いた時点で医者にかかれば良かったのですが、その時は病院には行かず、独自で市販の薬を買って治そうとしたため全身に広がってしまったようです。その後も呪術師から貰った聖水とかを全身に掛けたりしたものですからマスマス悪化したものと思われます。さらに患者の家が貧しいため、体を清潔に保つことが難しく、衣服も何日も同じ服を着ているなど悪条件が重なっています。現在は症状がかなり悪く、皮膚が異常に乾燥しているためシャワーを浴びることも出来ない状態です。完治するにはかなりの時間を必要するものと思われます」と診断結果を説明した。
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