恋人の部屋で過ごした翌日
親から外泊を咎められることを恐れた女子大生、架空事件をでっち上げ
チグハグな証言に疑問を抱いた警察により発覚
今月二十一日午前十一時、都内ドンムアン空港近くに住む、ラムカムヘン大学教育学部一年生のターイさん(仮名・二〇)は、左腕には包帯を巻き、血で汚れた学生服姿のままウドムスック警察を訪れ被害届を提出した。
内容は、ラムカムヘン大学の第一キャンパスと第二キャンパスの間の路上で、ある悪いグループに無理矢理ミニバスに連れ込まれ、暴行を受けた後危うくレイプされそうになったので逃げ出して来た、という事である。
ターイさんの証言は次の通り。
「事件は、二十日の夕方五時頃起きました。私はサムットプラカン県バンプリ郡バンナータラット通りにあるラムカムヘン大学第二キャンパスで試験を受けた後、二〇七番のバスに乗り帰宅するところでした。二〇七番のバスでフアマークの第一キャンパスまで行き、そこでバスを乗り換えてドンムアンに帰るのです。バスは学生達で満杯状態でした。私はその近くに停まっている〃ラムカムヘン大学1/2〃と表示されたミニバスを見つけたので、それに乗り換えることにしました。ミニバスの座席後部には既に人が沢山座っていたので、私は運転席の近くに座りました。席に着いてしばらくすると、なんだか頭が痛くなり目眩を感じたので少し仮眠することにしました。ふと目が覚めると、後部座席には男子学生が一人だけ座り、バスは市内に向かうのとは反対方向のバーンプリーにあるフアチヤオ大学の辺りを走っていたのです。驚いた私は、慌てて運転手に向かって〃バスを止めてぇ!〃と叫びました。その時、後部に座っていた男子学生がナイフを持って近づいて来て、私の首に突きつけたのです。私が助けを呼ぼうと大声で叫ぶと、その男は〃静かにするんだ!!〃と怒鳴り、私の顔を殴りつけたのです。丁度バスは余りスピードを出していなかったので、私は意を決してドアを開け、外に飛び降り、道路脇の草むらの中を必死で走って逃げました。その時左腕に怪我したのです。その後、男は車を止めて追っかけて来そうな気配がしたので、私は草むらの中に隠れて明け方まで待つことにしました。暗闇の中を動くのが怖かったからです。朝五時になり、通りかかった車を止めて乗せて貰い家に戻りました。両親に相談した後警察に来たのです」
ウドムスック警察はターイさんに、事件が起きた場所の直接管轄署であるバンプリ警察にあらためて被害届を出すように指示。
その後、新たにターイさんの事情聴取を行ったバンプリ警察は、ウドムスック警察でターイさんが証言した内容と噛み合わない点があることに疑問を抱いた。例えば、ミニバスでの乗客の乗降状況に関しての質問に対する答えもあやふやで、さらに車から飛び降りた場所についても記憶が定かでなかった。
そして、警察官から「何故、車を飛び降りて直ぐに助けを求めなかったのか?何故朝まで待ったのか?」と問い詰められたところ、ターイさんは口ごもり、この事件が自分が考え出した架空のものであることを告白した。
ターイさんは、二十日の夜男友達の所に泊まったが、両親にそのことがバレて叱られることを恐れ、自分で架空の事件を考え出し、警察に偽りの証言をしたという。
事実を告白した後、ターイさんは罪を認め、「私が間違っていました。証言した事件は全くの嘘です。実際は、試験が終わってから恋人の寮までバスに乗って行きました。その前に彼とちょっとしたことから喧嘩をしてしまったので、話し合おうと思って訪ねて行ったのです。でも、朝まで彼の部屋に居たことを両親に知られるとまずいので、このような嘘の事件を思いついたのです。家に戻る前に、左腕にわざと傷を付けて、親にも嘘の出来事を話しました」
警察は、今回のでっち上げ事件に関して、ターイさんを厳重注意のうえ家に帰した。
マスコミが警察に事件に関して質問したところ、「疑問点を感じたのは、ウドムスック警察での証言とこちらでの証言に一致しない点が有り、さらに腕の怪我が草むらの中を逃げ回った時の傷にしては少なすぎると見たからです。ターイさんが何故このような架空の事件を思いついたかというと、彼女は普段から真面目な性格で、外泊した事を親に知られることを極度に恐れたためだったようです」と説明した。
いずれにしても、ターイさんがまだ学生であるということを考慮し、二度と今回のような事件を起こさないよう注意しただけで、特に処分は考えていないこととのことだ。
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