事故死か他殺か・・・?
七十六才の年金生活の男性、
出火した自室で謎の死
今月十二日午前八時三〇分、都内ナーンルーン警察にプラナコーン区プラチャーティパタイ通りのバーンローという小径にある家屋で火災が発生し、中にいた老人が焼死した、との通報が入った。
警察が現場に駆け付けると、八〇〇平米の土地の中には、半分コンクリート半分木造の一軒家の他に二件の家屋が建っていた。火災が発生したのは、その中でも一番大きな家の一階。近所の住民が助け合って、消火に努めていた。
一階寝室の辺りには、ソーラーオイルの臭いが立ちこめており、部屋の中では家主のチャラームさん(七六)が床に倒れて死亡していた。チャラームさんは、元教育省検査官。寝室のドアに足を向け倒れていた。
紺色の長袖シャツに赤色の腰巻きを身に付け、ピンク色のタオルで口と鼻を覆っていた。腕と足にはかなり重度の火傷を負い表皮は剥けていた。また、左頭部には三インチの傷跡が見られ、口左端は何か硬い物で強く押されたように陥没していた。
死体の状況から、死後約二時間と推定された。
死体の横には、三×五フィートの大きさのベッドがあり、上に罹った布団の半分が燃えていた。また、青色と白色の枕には血痕が残されていた。
ドア近くに置かれた木製の丸イスの脚は折れており、血痕がこびりついていた。
部屋の中を調べたところ、物色された形跡は無かったが、チャラームさんが生前いつも身に付けていた重さ五バーツの純金のネックレスが消えていた。
チャラームさんの妹であるオンマラーさん(六七)の話によると、チャラームさんは七人家族の長男で、定年後は年金暮らしを送っていた。鳥を飼うのが好きで、敷地内の一番大きな家に妹と二人で住み、他の二件に残りの家族が住んでいた。
事件前の朝六時、チャラームさんの寝室から煙が出ているのに気付いたオマラートさんが部屋のドアを開けると炎が上がっていたので、大声で助けを求めたという。異変に気付いた近所の住民が消火に駆け付けた時には、チャラームさんは既に死亡していたという。
最初オマラートさんは、兄が暗闇の中で何かを見るためにライターに着火し、その火が誤って布団に燃え移り火事になったと思ったという。チャラームさんが持病の心臓病に悩んでいた事も考えたが、火事の原因については事故であると思い、特に疑問を抱かなかったという。
しかし、警察が死体を調べた結果、チャラームさんは火事が起こる前に怪我を負っていたことが分かったため、さらに詳しく現場を調査しようとした。しかし、オマラートさんが使用人に命じて現場をきれいに片づけてしまったため詳しい調査は不可能となった。
オマラートさんは、「この家の持ち主は二番目の姉のアルニー(七七)だったが、先月心臓病で亡くなったので、この家は六人兄弟の共有の財産となりました。兄は毎日の習慣で、朝五時には起床し、新聞を読み、集めていたお守りを磨いたりしていました。兄の死因が事故によるものなのか、他殺によるものなのかは分かりません。兄は家の向かい側にあるウィアントーン・ホテルの従業員で掃除係のソンさん(五〇)と親しくしており、洗濯を頼んだり、話し相手になってもらっていたようです。」と話した。
警察は、早朝四時頃、現場で男が大騒ぎしている声が聞こえ、しばらくして静かになったという証言が有り、また、火災が朝になってから起きたという事実から、通常人の出入りが多い家だが、見知らぬ顔だと直ぐに分かるため、一応家族全員から事情聴取を執り行うことにした。
純金のネックレスを奪い、証拠隠滅のために火を着けた可能性もあると見て、更に詳しく調査するとしている。
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