不景気で背に腹は変えられないと、元ミス・準ミス・タイランドが香港、マカオで売春???

情報の信憑性に疑問


マカオと香港で発刊されている日刊紙「タワンオーグ・デーリー(東日報)」の今月二十二日発行分に、タイ人女性のプライドを傷つけるかのような記事が掲載された。

 同新聞の男性セクションのページ全面に写真と共に載る、〃ミス・タイランド、準ミス・タイランドが売春目的で香港に飛んできた!〃という大きな見出しが目を引く。

 写真には、コンテストでの美女三人が微笑んでいる。今のところ、この写真がコンピューター技術を駆使した合成写真であるかどうかの確認は取れていない。しかし、三人の女性を紹介するキャプションが次のように書かれている。

 「左から順に・・・」として、「サワッディーカー。私の名前はキャットです。一九九六年度の準ミス・バンコクに選ばれました」の中央は、「私の名前はノーイです。一九九四年度のミス・タイランドです。サワッディーカー」。そして右の女性は、「私の名前はハニーです。一九九六年度の準ミス・タイランドです」

 しかし、写真を良くみてみると、これらの女性は過去に美人コンテストに出場した女性として見覚えのある顔ではない。

 記事の内容をおおまかに説明すると、次のとおりである。  

 香港では、最近、美人コンテストの人気が下がる一方であるという。一般の男性の心の中では、コンテストに登場した女性は美しすぎて簡単には手が届かない高嶺の花的存在、というイメージがあり、あくまでも夢の中の女性に過ぎなかった。

 ところが、世の中は移り変わり、タイの経済危機を機に、多くの失業者が発生。このことは、ミス・タイランドを獲得した女性にとっても例外ではなかった。

 こういったタイの深刻な経済事情から、マカオにある有名なソープランド「アーン・プラートーン(金魚鉢)」には、タイから多くのこういった女性たちが働きに来ているという噂がある。

 バブルの時代には月収一〇万バーツは下らない生活を送っていた彼女らは、今、客を一人取る度に得る二千香港ドルのために文字通り体を張って働いている。

 記事はさらに続き、色白な肌に、豊かな胸を窮屈そうにブラジャーで支え、白い毛皮を羽織った美女ノーイさんが写っている写真について、「彼女は株の投資で大損をしたため、マカオの〃アーン・プラートーン〃にやってきた」と説明している。

 ノーイさんは、「マカオに売春に来たことを悔やんではいません」と語っている。ノーイさんは、ミス・タイランドになってから五年経つが、まだ二十二才。十七才の時にミス・タイランドに選ばれ、その後は幸運に恵まれて豊かな生活を送っていたが、一九九七年の終り頃タイを襲った不況の影響で、株で儲けていた収入も途絶え、周囲の金持ち仲間も次々と姿を消して行った。二ヶ月前、ある友人から、マカオの〃アーン・プラートーン〃に行ったらどうかと勧められたという。ノーイさんは、そのことが売春を意味している事だと分かったが、不況下においては背に腹は変えられず、大金を稼ぐためには仕方ないと考えた。

 ノーイさんは「マカオに出稼ぎに行く事が、何をしに行く事かは既に知っていたわ。女性に聞いて、誰が売春したいと答えるかしら。でも、こんな時代だから仕方ないわ。会社のマネージャーでさえ、物を売り歩く時代ですもの。それに私の場合、知識は無いし、美しさだけが取り柄だもの。体を売るより他何をすれば良いのか分からないわ。今、一ヶ月に三十万から四十万バーツ(約八万香港ドル)稼いでいるの。でも、昔タイで有名だった頃と比べたらまだまだ少ない。バンコクに居る時は、車とコンドのローンに追われ、その上半年間も失業して収入はゼロ。貯金も底を突いたわ。だから、どんな苦労も耐える覚悟よ」と明るく語った。

 彼女はマカオに来てからの二ヶ月で既に一〇〇万バーツ以上の収入を得たという。

 さらに、「タイで有名だった頃を思うと、まるで過去の夢のようです・・・」と書かれた、三人の美女が写し出された写真では、右側のキャットさんは、「まさか売春をするようになるとは思いませんでした。」と語っている。彼女はスリーサイズが上から九〇・五九・九〇という超ナイスなボディー。素晴らしい脚線美が自慢のキャットさんは、準ミス・バンコクという経歴にもかかわらず、残念ながら今回の不況で失業し、〃アーン・プラートーン〃に出稼ぎに来た。

 キャットさんは、マカオでの三ヶ月間でこの生活にも慣れ、二〇〇万バーツを稼ぐという目標達成まであと一ヶ月。その後はタイに帰るつもりだという。

 キャットさんは、「マカオでは仕事を捜しやすいし、若いからまた来るかもしれないわ」と語った。

 彼女たちに触れるためには、長蛇の列を待たなければならないという。

 別な写真には、元準ミス・バンコク六位のインさん(一八)、元準ミス・バンコク五位のニーナさん(彼女はセクシーな風貌で売れに売れ多忙な毎日)、そして一九九一年度準ミス・フィットネス二位のユーさんが写っている。彼女の写真の下部には、「ヘン・レーオ、フィット・マイカー・・?(ほらご覧なさい、ピンピンにフィットしてきたでしょう?)」という見出しが書かれている。

 準ミス・チェンマイ六位のムーンさんは、北部女性独特の色白の肌が眩しい。

 一九九六年度準ミス・タイランド一位のハニーさんは、「過去の栄光はただの思い出に過ぎません」と潔い口調で語った。  

 タイラット紙記者は、これらの写真の美女達が果たして本当にタイ人女性なのか、書かれているミスのタイトルが正しいかどうかは分からないとしている。

 しかし、最近、香港に出稼ぎに行く元ミスなにがしの姿が目立って増えているという噂もある。マッサージパーラーの経営者にとっては、彼女たちは売り上げを上げる高ポイントになる。なぜならば、昔は、美人は大金持ちしか対等に相手に出来なかったが、現在では、一〇〇〇から二〇〇〇香港ドルで天国に行けるのだから。口コミで噂は広がり、そして長蛇の列が出来る。

 この記事を結ぶ最後の文には、タイ式マッサージパーラーの分析が載っている。  

 なぜ、タイ式マッサージパーラーを〃アーン・プラートーン〃と呼ぶかというと、ガラスで仕切られた向こう側で、女性達がひな壇に座り指名を待っている光景が、市場でプラートーン(金魚)を買うイメージを呼び起こすからだという。また、なぜタイの売春婦にグラマラスなボディーの女性が多いかについては、タイにはBコースというマッサージのコースがあり、客が部屋に入ると、全身をボディーソープで泡立てた女性が身体全体を使って洗ってくれ、その後はウォーターベッドの上でボディーマッサージをしてくれるため、骨張った痩せた体では客が痛いと感じるからだという。

 タイラット紙の記者は、一九九六年度のミス・タイランドとして「東日報」に載ったノーイさんの情報をコンテストの委員会に問い合わせたところ、その事実は全く無いとし、「その年のミス・タイランドは、ノーンポップ・アリヤーが獲得している」との答えが返ってきた。

 この事から、今回「東日報」に載った記事は、香港とマカオが自国のマッサージ・パーラーを宣伝するためにタイ人女性を利用し、男性客の興味をそそろうと意図的に作成されたもので、写真も本物ではないと推察される。  いずれにしても、今回の記事は、タイ人女性のイメージを激しくダウンさせるものと危惧される。


[BANGKOK SHUHO]