〃ゴルフ場内の池に昔の機関車が沈んでいる〃との
キャディーの夢にゴルフ場存続の危機を救う神のお告げと職員は大騒ぎ
引き上げられたのは資材運搬用のトロッコ?
今月十九日、ヴィパワディ・ランジット通りにある国鉄所有地にあるゴルフ場の職員はマスコミに、「あるキャディーが夢の中で、ゴルフ場内の池の中に古い機関車が沈んでいるので、それを引き上げて大切に保管するようにとのお告げを受けた」と発表した。
ゴルフ場の敷地内には十ライの大きさの池が有るが、マスコミが取材に駆け付けた時には、男性職員が池に潜り、夢のお告げの機関車を探している最中で、池の淵には発見された汽車を引き上げるためのクレーン車も待機していた。クレーン車の傍らでは、キャディー達が集まりプアンマライ(花飾り)や線香を手に口々に祈りを捧げていた。
午後二時三十五分、池の中に潜って作業を続けていた職員が機関車らしき物体を発見。クレーン車で牽引を始めると、集まっていた関係者と見物人はいっせいに歓声を上げ、中には爆竹を鳴らす人も居た。
全体が錆で覆われているため、マスコミはいくら観察してみても、その引き上げられた物体が機関車のどの部分なのかを判明出来なかった。
その後、ジェット水流で汚れを取り除いたところ、長さおよそ三メートル、屋根と思われる板状のものが付いたトロッコのような四輪車が現れた。見物人は、ラマ五世のお守りを架けたり、祈ったりしていた。
キャディーの一人であるチャンピーさん(四五)は、今回の古い汽車が発見された事について、マスコミに次のように語った。
「二週間前の夜、このゴルフ場の土地をバンコク都に返却することに反対しているグループのリーダー達と話し合っている時、突然意識を失いました。気が付いた時に、回りに居た人達から、私が意識を失っている間、奇妙な行動をとり、〃このゴルフ場の池の中に何十年も前の古い機関車が沈んでいるので、早く引き上げて大切に保管しなさい。そうすれば、現在起こっているゴルフ場の問題が良い方向へ向かうでしょう〃と語ったと言うのです。その後皆で話し合い、十九日が吉日なので、この日に池の中を探すことに決めました。そうしたら、本当に汽車が発見されたので信じられない気持ちです」
マスコミが、チャンピーさんが気を失った当時同席していた反対派グループのリーダー、パンヤーさん(四四)とソンバットさん(三八)にインタビューしたところ、「チャンピーさんの喋った事には半信半疑でしたが、念のため男性職員に池に潜って調べてもらうことにしました。今日本当に汽車が発見されてとても驚いています。この池には、他にも沈んでいる汽車があると推察されています。なぜならば、この場所は昔、中央駅を作る計画が有りましたが、計画が中止になり、その後タイ国鉄がゴルフ場を作ることに決め、一九六八年にゴルフ場が完成したのです。今回発見された古い汽車は、ゴルフ場を作る際に池に捨てられたものと思われるからです」
発掘作業を見学に訪れた人々の中には、「機関車愛好会」の会長、サップシリーさんの姿も見られた。
サップシリーさんはマスコミに対し、次のようにコメントを残した。
「今回、古い汽車を池の中から発掘する作業を行うという情報を得たので見学に来ました。引き上げられたものは、汽車だと思われているようですが、これは汽車ではなく、建設資材を運ぶトロッコ車です。業界では、ディフォリーと呼ばれ、現在でも使われています。一九五七年頃、このパホンヨーティン地区で〃汽車の街〃作りのプロジェクトがありましたが、様々な問題からそのプロジェクトは中止になりました。今回発見された物は、期待ほどは大きくありませんでしたが、その部品全てが価値有るものです。なぜなら、タイでは、ラマ五世の時代に初めて汽車が作られたからです」
現在、このゴルフ場は、バンコク都に土地を返却する計画が有り、そうなると、キャディー達は失業の危機に遇うことになる。そのため、「今回発見されたものが古い汽車ではない」、と公言した先述のサップシリーさんに対し、夢のお告げを信じ、貴重な古い汽車が発見されたと喜んでいたキャディー達は、余計な事を言ったと反撃。サップシリーさんを発掘現場から追い出す場面も見られた。
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