作業員送迎バスの運転手、
工事中道路の立ち入り禁止用鉄策に触れて感電死

事故責任は誰に?助けようとした妻も負傷


 今月二十日早朝五時半、都内マカサン警察に、ラマ九世通りとラムイントラ高速道路の交差点に建設中のフライオーバーで漏電事故があり、人が死亡したとの通報が入った。

 事故現場では、フライオーバーの支柱を作る為に点滅電球が掛けられた車両進入禁止の鉄策が置かれ、その側にチョンブリ県出身のパイラットさん(二三)が倒れて死亡していた。パイラットさんは、チャンパーティップ・トランスポート社で作業員を送り迎えするバスの運転手として働いていた。

 工事を請け負っているのは、ユニット・エンジニアリングという建設会社。

 鉄策の一枚が倒れている側で、パイラットさんの死体は、感電のショックで激しく硬直していた。

 その倒れた鉄策を調べたところ、まだ漏電していることが分かったため、警察は直ちに点滅電球の電源を切るよう指示した。

 運が悪かったのは死亡したパイラットさんのみならず、パイラットさんの妻のランプーンさん(二一)も負傷し、既に警察病院に運ばれていた。

 警察は入院したランプーンさんに事情聴取を行うため病院に赴いた。

 ランプーンさんは、事故当時の状況を次のように証言した。

 「朝五時頃、ウィラ・カフェーの近くにあるF・T・C工場の作業員を迎えに行くため、夫はバスを運転して出掛けました。隣りには私が座っていました。作業員を待っている間、突然バスのエンジンがかからなくなったので、バスを押してもらう人を捜すために路上の鉄策をどけて、かかっている点滅電球の電線をくぐって中に入ろうとしました。その時、夫の身体に電流が走り感電しているのが見えたので、驚いた私は急いで〃チュアイ・ドゥアイ!〃助けを呼びました。叫びながら夫の腕を掴んだ途端、私の身体にも電流が走りました。幸い、そこへウィラ・カフェーの前に停まっていたバイク・タクシーのワントンさんが走ってきて、自分の来ていたジャケットを脱いで、感電しないようにその服を被せてから私と夫を引きずり出してくれたのです。しかし、夫は既に死亡しており、私だけが助かりました・・・・」

 工事の責任者であるユニット・エンジニアリング社は、点滅電球には一般の二二〇ボルトの電流ではなく、一二ボルトのバッテリーを使用しているので、たとえ感電しても死に至るまでの事故にはならないはずだ、と強調。パイラットさんに心臓病などの持病があったのではないか、と言っている。

 警察がパイラットさんの死因を調べた結果、感電したショックによる心臓麻痺と診断された。

 その後、警察の調査により、点滅電球の電流は、作業員が一二ボルトのバッテリーをパワーアップするため、変圧器を用いて二二〇ボルトの電流を流していた事が判明した。

 ユニット・エンジニアリング社はこの件に関して、工事現場の鉄策には「立ち入り禁止」の標示が出されていた事を強調し、今回の事故における全面的な責任を取ることを避けようとしたが、とりあえず被害者の葬儀代などの費用は出すことに同意した。遺族への慰謝料については今後検討するという。


[BANGKOK SHUHO]