サウジアラビア出稼ぎ者の要望を
基に、タイ国科学技術・環境省が
缶詰ソムタムの試作に成功
商品化した暁には、国内より国外市場に期待
今月十八日、タイ国科学技術・環境省(MOSIE)のバイオ・サイエンス部長であるスチン女史は、タイの代表的庶民料理の一つ〃ソムタム〃の缶詰化の研究・開発を進めて来た結果、この度試作に成功した事を発表した。
スチン女史の話によると、タイ人好みの味付けにするための調合に二ヶ月程の研究期間を要したという。
今回試作したソムタムの缶詰は二種類有り、一つは直ぐに食べられる状態で缶詰に入っているタイプ、もう一つは缶詰に入った乾燥材料と調味料を別に用意した生のパパイヤ、トマトなどの材料と混ぜ合わせて作るタイプ。
先ずは一般的な〃ソムタム・タイ〃を作り、次には〃ソムタム・プー(塩漬け沢ガニ入りソムタム)〃と〃ソムタム・プララー(塩漬けして発酵させた魚入りソムタム)〃を試作する予定であるという。
この〃ソムタム・ハイテク〃が一般の缶詰の保存期間である六ヶ月から一年という期間に比べて、どの位の期間保存出来るかということと、栄養面での問題が重要な研究ポイントであるという。
いずれにしても、どちらのタイプのソムタムも、材料の干しエビ、ピーナッツなどは乾燥時に熱風を通るため、バクテリア等の衛生面は安全であり、食品添加物も一切使用していない。又、味も店頭で食べるソムタムと同じ味に仕上がっているという。
研究費は別にして、直ぐに食べられるタイプは一缶十三バーツ、乾燥材料を混ぜ合わせるタイプは一缶五バーツ位になるという。但しこのタイプは、他に青パパイヤ、人参、キャベツ、キュウリ、インゲン豆、トマト等の生材料を自分で用意しなければならない。一缶は二人分、辛さも大辛、中辛の二種類ある。
今回の試作品成功の秘訣は、特別な調味料の調合によるものであり、今後は民間業者にこの技術を移転し、外国に居ても手軽にソムタムを食す事が可能になる。タイ国内の市場では消費者にどれだけ受け入れられるかはまだ予想がつかないが、国外市場ではかなりの需要が期待される可能性が高いと見ている。
研究員の一人、ソンポーンさんは、このハイテク・ソムタムのアイデアと味の調合に関して次のように語った。
「十年程前に一度、うちの研究員が試みましたが成功しませんでした。この缶詰ソムタムのアイデアは、実はサウジアラビアに出稼ぎに行ったタイ人からの要望によるものです。彼らは、現地で缶詰のご飯やタケノコなどの加工食品をよく食べているとのことです。そこで、外国ではなかなか食べることが出来ないソムタムが缶詰になれば・・・・という希望から、新たに研究開発することになったわけです。最初は味付けしたソムタムをそのまま缶詰に入れてみましたが、長期保存は出来ませんでした。その後、科学技術を導入し、青パパイヤは石灰水の上澄みに浸してパリパリ状態にし、ピーナッツや干しエビ、調味料は熱風に通して乾燥させたものがようやく二週間前に完成しました。生のソムタムに出来るだけ近づけた材料で仕上げるようにしています。製造特許権はまだ登録していません。今後、保存期間と栄養面の問題をクリアーしたら正式に特許権を申請する予定です。当研究所は、農産物の維持と加工の専門であり、食品の付加価値と品質を高め、人々に技術移転し役立つことを目的としています。例えば、乾燥野菜や果物、フリーズドライ加工の果物、また瓶詰めの保存食品、穀物ジュースなどの研究開発を進めて来ました。多くの人々の関心を集めているため、現在二日間のコースも開催し、実験・実施も行っています。
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