不況の影響でガソリン・スタンドが経営不振に

絶望した社長が妻の面前でピストル自殺?


 今月二十五日午後十二時半、サムットプラカーン県警察に、ピストルで自殺した男性がいるとの通報が入った。負傷者はただちにワットシラプラカーン病院に運ばれたが、途中で息を引き取ったとのことであった。

死亡したのは、タニンさん(三九)。バンコク出身で、都内にあるソムチット・ボーリカーンというガソリン・スタンドを経営している。

 頭部右側を九MMのピストルで一発撃たれており、死体は検死のためサタバーン・ニティウェートに送られた。

 警察がガソリン・スタンド一階にある応接室を調べたところ、ソファーとクッションにタニンさんのものと思われる血痕を発見。また、バーレッターというメーカーの九MMのピストルも落ちていた。ピストルにはあと十一発の弾丸が残されていた。警察はピストルを証拠品として押収。部屋の中は特に争った形跡は見られなかった。

警察はタニンさんの妻、ワンナーさん(三二)に事情聴取を行った。

 「夫は自殺したのです。理由は、最近不況の影響で客が激減し、夫はガソリン・スタンドの経営が苦しくなったことに絶望してやる気を失っていました。事件の起こる前、夫が応接室に一人で入るところを見たので、しばらくしてから私も部屋に入りました。夫はソファに横になってテレビを見ていました。その姿を見た私は憤りを感じ、外で仕事を手伝うよう叱責しました。でも夫は無視したので、私達は言い争いを始めました。その時、突然夫は、いつもポケットに入れているピストルを取り出し自分の頭を撃ったのです。驚いた私は、急いで従業員を呼び、夫を病院に連れて行こうとしましたが、間に合わず途中で息を引き取りました。夫が自殺したのは、私が叱ったことに傷付き、咄嗟にピストルで自分の頭を撃ったのでしょう……」

 警察では、まだ自殺とは断定出来ないと見て、タニンさんの親族、身近な人達を集めて更に詳しく事情を調べるとしている。なぜならば、落ちていたピストルの引き金が、次の発砲準備に入った状態だったためである。もし、タニンさんの死が自殺だとすれば、もう一発撃つ状態になっていた事に疑問が生じるわけであり、警察は念の為ピストルを鑑識に送り、指紋を採取することにした。


[BANGKOK SHUHO]