バンコク、 不倫相手を惨殺!

長電話に嫉妬か


 先月三十日夜九時、バンコク都内バンプラット警察に、バンオ区チャランサニットウォン通りソーイ八五内の賃貸アパートの一室で殺人事件が起きたとの通報が入った。

 警察が現場に駆け付けると、アパート二階の部屋で、トンブリー地区のタンフアセン・デパート近くにあるアナンパッタナ病院の患者管理の担当職員・シーサマイさん(二二)が血まみれで死亡していた。

 シーサマイさんは白いTシャツに花柄の半ズボン姿で床にうつ伏せになって倒れており、床は血の海と化していた。

 警察官が死体を仰向けに起こすと、首は数回におよび真横に切り裂かれており、左胸は何度もメッタ刺しにされていた。両腕両手には犯行時に激しく抵抗したと思われる刺し傷切り傷が合計三〇ヶ所も見られた。

 死体の近くには犯行に使われたと推察される大量の血痕が付着した刃渡り十二インチのナイフが落ちていた。

 シーサマイさんを刺し殺した容疑者は、同じナイフで自らも自殺を計ったが、アパートの住人に助けられ、既にワチラ病院に運ばれた後であった。

 警察は取り調べを行うために病院に向かったが、容疑者は重傷で話を聞くことは出来ない状態だった。

 容疑者の名は、マノップ(二八)。殺人現場となったアパート近くのソイの入り口付近で鉄の溶接工として働いていた。

 マノップは自分の腹部をナイフで切り裂き、内臓の一部が露出するほどの深い傷を負っていた。マノップは殺されたシーサマイさんの向かいの部屋に住み、被害者の実の姉の夫でもある事が判明した。

 アパートの持ち主であるソムチットさん(三九)は、警察の事情聴取に応じ、次のように証言した。

 「一年位前に、マノップと妻のウィパディーさん(二四)、そしてウィパディーさんの妹のシーサマイさんの三人が部屋を借りに来ました。そして四階の一室をマノップ夫妻、向かいの部屋をシーサマイさんが借りました。その後、ウィパディーさんは妊娠し、出産準備のために故郷ナコンラチャシマ県ノンスン郡の実家に戻り、双子を出産した後もしばらくは赤ちゃんの面倒を見る為に実家に滞在していました。その後夫の居る部屋に戻りましたが、マノップは妻が留守の間に義妹のシーサマイさんに言い寄り、いつの間にか深い関係になっていたようでした。他の人が居ても全く気にせずに二人が親しげにしているところを何度も見ました。二人で歩いている時は、いつも手をつないでいました。ウィパディーさんがアパートに戻ってからは、さすがに表立っては親しげな態度はとらなくなりましたけどね。事件が起きた日の夕方、マノップは仕事から戻ると部屋に入り静かにしている様子でした。そのうちアパートの公共電話が何回か鳴り響き、シーサマイさんが電話に出ました。電話の相手は彼女の知り合いだったようで、かなり長い間楽しそうに話していました。聞き取れた話の内容は、明日友人の誕生パーティーに行くというような話でした。その時突然、マノップがナイフを片手に、もう我慢出来ないという態度で部屋から飛び出て来たのです。そして、シーサマイさんの首を掴んで彼女の部屋に連れて入りました。その後少しの間、彼女の助けを呼ぶ声や叫び声が聞こえましたが、急に静かになりました。近所の部屋の人達も何も手を出せない状態だったので警察に通報したのです」

 警察は、マノップが許されない仲である義妹の友人との長電話に激しい嫉妬を感じ、発作的に殺害に及び自殺を計ったものと見ているが、今後マノップの妻のウィパディーさんにも事情聴取を行い、さらに詳しく調べる予定にしているという。


[BANGKOK SHUHO]