アイドル歌手ターターヤン
の自宅で早朝の泥棒騒ぎ

何も盗まず、
冷蔵庫の中のお菓子だけを食べて逃げる


残された菓子文字の謎

 今月二十四日、マスコミによりバーングナー警察からの報告が発表された。

 それによると、今月二十二日未明、ある悪者がアミター・ターターヤン(若者の人気アイドル、ターターヤン)の自宅に侵入し、金目の物は何も盗まない代わりに、冷蔵庫の中からお菓子を出して食べ、記念としてターターヤン宛の手紙を残して逃げた、という事である。

 恐らくプロの手による強盗ではなく、素人の犯行と推察された。

 事件後、母親のバンチョーンさんとターターヤン本人がバングナー警察を訪れ被害届を提出した。

 バンチョーンさんはマスコミのインタビューに応じ、次のように話した。

 「我が家に泥棒が入ったと気付いたのは、朝六時頃です。価値のある大切な物は何も盗られませんでした。しかし、冷蔵庫の中に入っていたデザート類、ケーキ等のお菓子が無くなっていたのです。最初は、警察に連絡するとニュースになってしまうので躊躇しましたが、泥棒がまた戻って来ると恐いので、警察に知らせる事にしました。二人の警察官が家の中を調べに来ましたが、何も発見できませんでした。タターの父親は壊されたドアの鍵を修理しました。犯人はタター宛にメモを残して行きました。内容は〃私はあなたをとっても愛しています。私は貧乏人です。どうか貧乏人にもタンブンして下さい〃というもので、又犯人が戻って来たらどうしようと心配しています。私は犯人は精神病者ではないかと思っています。なぜなら、キッチンの冷蔵庫からヨーグルト、お菓子、クッキー、ケーキを出して食べ、キッチンに置かれているステレオや電子レンジ等金目の物には手を出していないからです」

 ターターヤン本人もインタビューに応じた。

 「私と犯人はちょっとの差ですれ違った感じです。私はその日、午前三時頃キッチンに水を飲みに行き、その後寝ました。その時には何も起こっていませんでした。母親は朝五時頃起きたわけですから、つまり犯人は午前四時頃家に侵入したということになるでしょう。我が家は二つに分かれていて、キッチンには外からも中からも入れるドアが有ります。犯人は丁度鍵が壊れていた外からのドアから入ったと思われます。母は、私が心配しないようにキッチンを片づけてしまったので、お手伝いさんが朝八時に私を起こしに来た時には、キッチンはすっかりきれいになっていて、いつもと同じ状態でした。母の話では、私の好きなお菓子トーン・イッブを使って冷蔵庫のドアに〃タータ〃の文字が作られていたそうです。犯人が残したメモというのは、ノートに〃ラック・ターター・マーク〃という内容が書かれているだけでした。今はもう何も心配していません」

 ターターヤンは更に続けてマスコミに次のように話した。

 「一番恐かったのは、私の大好きなスイカがナイフで切り刻まれて冷蔵庫に残されていた事です。スイカの果肉は赤いのでグチャグチャに刻まれていたら何だか恐いでしょう?犯人の筆跡も異常で、空いているスペースには書かないで、既に文字が書かれている上に重ねて真っ直ぐでなく斜めに書いているのです。それを見た時、私は身震いがしました。そういう訳で、母は警察に知らせる事にしたのです。私が言いたい事は、物を盗むのはいいけれど、人には何も危害を与えないで欲しいのです。もう一つ恐かったのは、犯人は家に入った時、私の犬が吠えなかったことから、もしかして何か毒でも食べさせたのではないかと疑いましたが、今のところ犬は元気ですので大丈夫です」

 ターターヤンは、他にも最近身近に起こった不気味な出来事を語った。

 「先月、キッチンの窓の蛇腹状のガラスの埃で曇っている所に、誰かが指で〃マー・イヤム。マイ・ミー・アライ。カオ・マイダーイ。ファーグ・ワイ・トンニー・ゴー・レーオ・ガン。(会いに来ました。何でもありません。中に入る事が出来ません。これで失礼します。ターターを愛する者より)〃書いた文字が残っていました。さらに、夕べ私のページャーにコール・バックのメッセージが入り、〃PCTのピー・モスまで電話を下さい〃となっていたので電話を入れたところ、ピー・モスではありませんでした。今回、私は父に二つの物を頼みました。ゴルフのクラブと野球のバットです。今度誰かが入って来たら、それでノック・アウトしてやるつもりです。それには自信が有ります。皆さんにご心配かけてスミマセンでした。本当に有難うございました。私はこのように無事五体満足です」と最後に心配してくれたファンに対し、お礼の言葉を送った。


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