バスの運転手がタクシー強盗

仲間と組んで犯行、陰には盗車専門のブローカーが


 今月二十二日午後二時半、バンコク都内タリンチャン警察は、タクシーの運転手を騙して誘拐、車と現金その他を奪って逃げていた犯人グループの逮捕に成功した事を発表した。

 逮捕されたのは、親分格のアンポーン(二四)を頭に、ソムサック(二一)、ダムロン(二五)、ソンポーン(二七)、そしてウィーラサック(三七)の五人。盗んだ証拠物件として押収されたのは六台のタクシー車。また、タープラ辺りのソーイ・ワット・ディードゥアンにある名前も無いタクシー修理工場からは様々な自動車部品が発見され、マスコミの前に並べられた。

 今月十六日、タヴィー警察中将は逮捕の経過を報告した。

 タリンチャン警察の捜査チームは、パトゥムタニー警察の協力を得て、管轄地域にある訴えのあったタクシー会社のオーナーから事情聴取した。

 内容は、アンポーンからトヨタの黄色と緑色のタクシー車を購入し、頭金の十六万バーツをアンポーンに支払ったが、その後アンポーンは自動車登録証の名義を変更しないまま姿を消してしまったという事であった。オーナーは心配になり、警察にその車を調べてもらったところ、タリンチャン警察の管轄地域内で盗まれたタクシーであることが判明した。さらにその車の登録証明書は偽造されたものであることも分かった。

警察は急いでアンポーンの行方を捜し、クロントン辺りにある借家を捜査したところ、居合わせたソムサックを逮捕した。家の駐車場にはタクシー車が一台停めて有り、その車を調べた結果、ラープラオ警察の管轄地域から盗まれたものであることが判明した。その後ソムサックを取り調べ、自供を迫ったところ、ソムサックはようやく全てを語り始めた。その自供内容から、サムットプラカーン県シーナカリン通りの借家に隠れていたダムロンとアンポーンの二人も同時に逮捕することが出来た。その家からも二台の盗んだタクシー車を押収した。

その後、ナコンパトム県サンパーン郡にある家に潜んでいたウィーラサックとソンポーンの二人を逮捕。そこからも盗んだタクシー車二台を押収した。

 五人の容疑者の内のほとんどが、九二番の路線バスの運転手だった。

 全員の自供によると、三ヶ月程前にタクシーを強奪するためにグループを作り、一回の犯行は二―四人が交代で行ったという。警察が調べた限りでは、犯行は既に十一件にも及ぶと推察された。

 親分格のアンポーンは次のように供述した。

 「我々は乗客のふりをしてタクシーを呼び、ラーグラバーンやトンブリー方面の郊外へ行くよう指示した。人通りの少ない場所へ入り込んだ時を狙って、運転手をロープで縛り上げ後部座席に寝かせた。同時に現金等を奪い、別な人気の無い場所へ行き、橋の下や木の下まで運転手を抱えて連れて行き縛り付け、その後盗んだ車を運転して逃げた。盗んだタクシー車の一部は色を塗り替え、新しい車番を付けて一般のタクシーとして我々自身が利用していた。仲間がそれぞれ一人に一台のタクシーを持っていた。残りのタクシーは、ソーイ・ワットディードゥアンにある無名のタクシー修理工場のオーナー、ソンポン(又の名をヒア・ムック)に売りに持って行った。一台につき十五―二〇万バーツで売った。しかし、コンディションの良い車は、偽の自動車登録証明書を付けて郊外のタクシー管理会社に売りに行き、頭金だけ受取って車を置いて逃げた。なぜならば、正式に所有者の名義を変更するための証明書を持っていないからだ」

 マスコミは、新たに次のように報告した。

 タヴィー警察中将は、タリンチャン警察の捜査チームに対し、徹底的に根こそぎ犯人グループを逮捕するために捜査の手を広げるよう指示を出した。

 また、この五人の犯人達が自供した事件だけでなく、他にもまだ事件があると信じていると語った。なぜならば、逃走中の修理工場のオーナー、ソンポンが所有しているタクシー車を調べたところ、その内の六台の車に関し、登録証明書の番号とエンジンの番号が違っていたからである。そのため、この六台のタクシーも間違いなくこの犯人グループから購入した盗車であると思われるからである。


[BANGKOK SHUHO]