摩訶不思議な出生の秘密
前世は中国の女神のお手伝いさん?

生まれつき言語障害を持つ少女、誰も教えないのに中国文字をスラスラと


   「生まれた時から言葉を発することが出来ず、小学校二年までの勉強しかしていないのに中国語をスラスラ書くことが出来、前世は中国の女神〃チャオ・メー・グワン・イム〃のお手伝いさんだったが、悪い行いをしたため人間として現世に生まれてきた少女がいる」という不思議な噂がタイ東北部ウタイタニ県で広がった。

 そこで、先月三十日午前十時、タイ・ラット紙の記者はその少女が住むバーン・ノーンター・ングー村の家へ取材に赴いた。

 家主のソムクワーンさん(四〇)と妻のパトゥムワンさん(三九)には三人の娘が居り、噂の少女はその中の一人ティパワンさん(一三)と言う。

 家の中に入ると、ピンク色のシャツに半ズボン姿のティパワンちゃん(愛称/ノン・チウ)は、訪れた記者達に対し言葉にはならないが喜びをいっぱいに表した仕草で歓待した。

 記者は両親に通訳を頼みティパワンちゃんにインタビューすることにした。彼女は言葉は話せないが聞く事は何とか理解できるとのことで、今回の取材目的が何であるかが分かると、自分で紙を持って来て、その上にスラスラと中国語の文章を書き始めた。

 書かれた内容は、「私はティパワン、又の名をノン・チウと言う名前の女の子です。前世は天国でチャオ・メー・グワン・イム(中国で信仰を集めている女神)のお手伝いさんをしていましたが、悪い事をした罰で人間として現世に生まれて来ました」とうものだった。しかし、ティパワンちゃんは〃悪い事〃の内容については最後まで語ろうとしなかった。

 その後、ティパワンちゃんは四枚綴りのノートを持って来て記者に見せた。ノートの中には中国語がビッシリ書き連ねてあった。彼女は他にもチャオ・メー・グワン・イムの様々なお姿が描かれた紙を見せると、三十分位かけて別なチャオ・メーのお姿を綺麗に描いて見せた。

 両親は記者のインタビューに対し、「私達には三人の娘が居ます。長女はピルンティップ(ヌン/一八)、ウタイタニー学校の高校三年生です。次女はティパワン(ノン・チウ)で、三女はワンナパー(ゴップ/一一)、ワット・ノーンター・ングー学校の小学校六年生です。チウは言葉が話せないため、小学校二年までしか学校に行くことが出来ませんでした。中国語は誰からも教えてもらったことはありませんが、ある日突然中国語を書き始めたのです。以前私達は魚の養殖池を二つしか持っておらず貧しい暮らしをしていましたが、五年前に私の妹の結婚相手であるホンコン人がチウの顔相を見ながらこう言いました。〃これから商売をやっていくためには、ティパワンちゃんの名前を使うと良いでしょう〃。そこで私達は養殖池に〃ボー・ティパワン〃と名付けました。すると商売は繁盛しはじめ、現在は池を六つ持つまでになり豊かな生活が送れるようになりました。さらに魚の稚魚を育てる池も造り、何をやっても殆ど成功しています。現在は家や車も買い、子供の教育費も全く問題ありません」と幸運をもたらす娘を誇らしげに語った。

 今までティパワンちゃんの身に起こった変化については、「両親に抱っこされることをイヤがり、お寺のお祭りがある時に連れて行くとチャオ・メー・グワン・イムの絵を必ず買って来ます。そしてそれを自分の寝室のベッドの上に飾っています。以前、ピッサヌローク県に住む祖父母に会いに行った時、他の娘二人はタイ式のワイをして挨拶したのに、チウは中国語で〃サワッディー・ピー・マイ(謹賀新年)〃と書かれたカードを渡したのです。さらに、家に帰ると今まで気付かなかったのですが、中国語を書き連ねたノートを見つけました。そのノートを中国語の分かる知り合いに見せて訳してもらったところ、チウは普通の女の子ではないと言われました」と説明した。

 記者がティパワンちゃんが持っている中国語の本の写真を、タイに住んで二十二年、今年七十三才になるジェン・トゥアン・リアッグさんに見せたところ、彼女の字は余り綺麗ではないが、潮州語で書かれており、内容は中国に昔から伝わる〃中国の天使〃に関する話ばかりだということが分かった。

 その中国の昔話によると、人間は生まれた時二つのタイプに分かれおり、一つは前世の記憶は何も覚えていないタイプ。もう一つは一時的には覚えているが、徐々に忘れていくタイプだという。ティパワンちゃんは後者のタイプで、そのため中国語の単語を覚えているのだという。ティパワンちゃんの中国語はかなり高いレベルに属する言葉であるそうだ。  

母親のパトゥムワンさんは、「チウは一九八五年十二月五日土曜日に生まれました。しかし、登録は十二月十二日にしてあります。チウがチャイヤナート病院で生まれた時、体重は一〇〇〇グラムしかなく、二ヶ月間程酸素マスクと点滴を受けながら保育器の中で育てられました。そのための費用が二万バーツもかかりました。医師からは、〃普通の人の十分の一しか生きられないでしょう〃と宣言されましたが、ある日突然チウは自分の手で酸素マスクと点滴の管を外してしまい、看護婦さんの胸に抱いてもらったところ、だんだん健康体になってきたのです。最初、病院から娘を引き取りに来てほしいという連絡を受けた時、私達はてっきり娘が死んでしまったものと思い込み、近所の人にお葬式の手伝いを頼んでから病院に駆け付けました。するとピンピン元気なチウが居るではありませんか。本当にビックリしました。その時の担当医から〃チウ・マハーサチャン(摩訶不思議なチウちゃん)〃と言う名前を貰い病院内で有名になりました」とティパワンちゃんが生まれた直後から普通の子供では無かった事実を語ってくれた。


[BANGKOK SHUHO]