郡長が公衆の面前で堂々セクハラ行為
訴えに対しても真っ向から異議
今月十五日午前零時十分、ウボンラーチャタニー県出身の未亡人ワラワンさん(二十八)は、六才になる息子のウィタワット君を連れてブンタリック警察へ赴き、次の事項を訴える申し出をした。
訴えの内容は、ブンタリック郡の郡長であるプラニート氏から身体を触られるなどのセクハラ行為を受けた、というものであった。
ワラワンさんの話によると、前日十四日の夜十一時半頃、ワラワンさんは郡庁舎近くにあるレストラン〃タンチット〃でウィタワット君と一緒に買い物をしながら、店の女主人タンラットさんとおしゃべりをしていると、店内で食事をしていた森林保護課の課長ワッタナーさんとブンタリック郡森林副部長のナムチャイさんの二人と共に酒を飲んでいたプラニート氏が突然席を立ち、酔ってフラフラした足取りでワラワンさんの方に向かって歩いてきたという。プラニート氏は「ローイ・ローイ・バーイ、ヤーク・チャ・ローイ・ローイ・バーイ・・・・(こっそり触って見たいなぁ・・)」という意味のイサーンの歌を歌いながら近づいて来たが、歌い終るや否やワラワンさんに抱き付き、抵抗してもがいているワラワンさんを力づくで押さえつけ体中を触りまくった。さらに「オレと寝ないかい?」と囁いたりもしたという。
体格の良いプラニート氏に強く抱き付かれながらも、精いっぱい抵抗している母親を見て、六才の息子はプラニート氏に向かって行った。しかし、プラニート氏はウィタワット君の腕を掴むと側にあった大理石の椅子に叩き付けたという。その際、ウィタワット君は右耳下に軽い怪我を負った。プラニート氏が息子の方に注意を向けたその一瞬を逃さず、ワラワンさんはプラニート氏の局部を力いっぱい握り上げた。プラニート氏の顔色は見る見るうちに変わり、激痛に耐え兼ねて、ついにワラワンさんの身体を放した。その後、ワラワンさんは息子を連れて警察に直行。
警察は調書を取り終えた後、そのコピーを一部ワラワンさんに渡し、ウィタワット君を病院に連れて行き検査を受けさせた。
十五日朝、悔しさが修まらないワラワンさんは、調書のコピーを数十枚作って市場に出掛け、そこらに居る人々に配り歩いた。
ワラワンさんが何故このような行動を取ったかというと、前夜プラニートから抱き付かれた時、「オレは大物なんだからお前はオレに逆らうことなんて出来ないんだぞ!」と脅された事が腹が煮えくり返る程悔しかったためである。
ワラワンさんが集まった人々に向かって、「私は数年前に夫を亡くし、今は息子と二人だけという弱い境遇ですが、誰も私を強制することは出来ません。ですから私は闘わなければならないのです!」と力強く訴えると、人々は、口々に「結果がどうなるか楽しみだねぇ。」と囁き合ったという。
マスコミは、プラニート氏を訪ねインタビューをしたところ、何も恐くない、という態度で、「ワラワンが警察に訴えた内容は全部間違っています。本当は、私が店で酒を飲んでいるところへ以前から時々からかっていたワラワンがやってきて、いきなり私の局部を掴み上げるなり、〃ケッ!そんなに大きくないじゃないの!〃と吐き捨てるように言ったのです。私は無視してそのまま酒を飲み続けていました。ワラワンは、その後店で買い物をしていましたが、今度はウィタット君が私に向かって唾を吐き掛け、私を叩き始めたのです。さらに石を持って投げようとすらしたので、私は彼の手を抑えて止めさせようとしたのですが、その時ウィタット君は、暴れた拍子に自分で大理石の椅子にぶつかり怪我をしたのです。この一件に関しては、その場に一緒に居たワッタナーさんとナムチャイさんがずっと目撃していましたから、いつでも証人になってくれます。」と自らの正当性を主張した。
この事件の担当警察官は、店の女主人タンラットさんを証人として呼び出し事情聴取を行ったが、タンラットさんは何かを恐れて事実をハッキリ言う事を避け、曖昧な証言しかしなかったという。いずれにしても警察は、ワラワンさんとプラニート氏の双方平等に取り調べを行うとしている。
ウボンラーチャタニー県の政府機関に勤めるある人は、名前を明かさないという条件で次のように述べた。
「またですか・・・。プラニートさんのセクハラ行為は有名で、これまで何回も慎むように注意して来ました。この件が県知事のシワさんの耳に入ったら、今度はゼッタイに検討委員会を作り真実を調べることになるでしょう。」
ワラワンさんもブンタリック郡では有名な人物で、銀行員だった夫が事故で亡くなった後、市内の中心にミニマートを経営している。美人で魅力的、その上やり手の未亡人ということで、彼女と付き合いたいと近づく男は後を絶たないが、今の彼女にとっては一人息子のウィタット君が心の支え。誰からの誘いにも乗らないという。この親子の間に入ることは、いかなる男性でも難しいようだ。今回思いがけない事件が起きた。それも相手は、市民の幸せを守る立場にいる郡長だとは・・・・・。
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